甘い社員旅行 

「高橋さん大丈夫?」
「奈緒ちゃん、少しは治った?」
「はい。薬飲んでずっと寝てたから熱は下がったみたいです」

夕方になり同僚たちがスキー場から帰ってきた。

「久しぶりに運動したから疲れたあ。明日は筋肉痛になっちゃうかな」
多少疲れてはいるようだか、皆それなりに楽しんでいたようだ。

「いいな〜。私もいっしょに滑りたかったよー」
「残念だったね。来年の旅行は風邪ひいちゃだめだよ♪」


スキーに行っていたメンバー達は温泉に入りに行ったが、 まだちょっと体がだるかったので私は遠慮することにした。
皆がお風呂から帰ってくると一緒に大広間に夕食を食べに行った。
スキーはできなかったけど、せっかくの旅行なので旅館のおいしい食事ぐらいは堪能して帰りたい。
同僚達とのおしゃべりを楽しみながら日本酒を飲んでいると、ほどよく酔いが回ってきた。

気のせいか、別の同僚達と飲んでいる拓也はいつもよりハイテンションな気がする。
私と付き合えたことを嬉しく思ってくれてるのかな?なんて、酔っ払った頭でぼーっと考えていた。
飲みすぎた同僚が数人リタイアする頃、自分達の部屋に戻り幸せな気分で眠りについた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

暖房が効き過ぎているせいか、喉がカラカラになり夜中に目が覚めてしまった。
時計を見ると針は1時過ぎを指している。
自販機でスポーツドリンクを買ってきて飲みながら、同僚達を起こさないように静かに椅子に座ってくつろぐ。

そうだ、汗かいたからお風呂に入ってこようかな〜。
今なら人も少ないそうだし、大浴場でのんびりできるよね。

少しワクワクしながらフロントに行き、新しい浴衣を貰ってエレベーターで5階の浴場へと向かう。
3階でランプが付き、エレベーターが止まる。
ドアが開き、見覚えのある人が乗ってきてドキッとしてしまう。

「こんな時間に何してるの?」
「あんたもね・・・。ちょっとお風呂でも入ろうかなと思って」
「俺ももう一回入ってこようかな」
「ふーん。お風呂好きなんだ」

まだ頭がはっきりしないまま、適当に答える。

「ここの温泉、混浴もあるんだって」
「へぇ?混浴ねぇ・・・」
でも混浴なんて興味ない。
「だからさ、一緒に入ろうよ」
「は?何がだからなの?入れるわけないじゃん!」
「いいじゃん。恋人なんだからお風呂に一緒に入ったって」
「な、何いってんの!付き合ったばかりだよ。まだ何にもしてないじゃん!!」
拓也の大胆な発言に私は挙動不審になってしまう。
「ん?何をしてないって?」
ニヤニヤしながら拓也が聞いてくる。

「いいじゃん。風呂では『何にも』しないから」
「ほんとに?いまいち信用できない」
「酷い言い様だな。約束はできないけどな」
「やっぱり信用できないじゃん・・・」

乗り気ではなかったが、拓也の強引な誘いに流されてしまった。
女性用の脱衣所で服を脱ぎ、バスタオルできっちりとガードして混浴用の浴室に向かった。
若い男性や嫌らしい目でジロジロ見てくるオヤジが入っていたらどうしようかと思ったけど、幸い誰もいなかった。

←Back   Next→

愛しの彼といつもより♡なHを

女性のための官能小説・目次