前と変わったね 4 (「今時プラトニックな彼女」続編)
 やると言ったものの、私に本当にできるだろうか。
 私は一人で緊張しまくっていた。
 仁はバスタブに腰を掛け、私は膝立ちになって仁の太股に手を置いた。
目的に段々顔を近づけていく。赤黒い先端が目の前にあるが、それ以上は進むことが出来なかった。
「どうしたらいいか分かんない・・・」
「んー、じゃあ、ここにキスして・・・」
 勇気を振り絞って、唇を先端につけた。
 ん・・・別に何ともないんだけれど。  ついに男の人の大事なところを口で触ってしまった・・・。
「大丈夫?」
 固まってる私を見て、仁は心配そうに声をかける。
「何とか」
「じゃあ、ちょっとずつ舐めてみて」
「うん…」
 先端の弾力がある部分を2、3度遠慮がちに舐めてみた。つるつるして不思議な感じがする。
「こんな感じ?」
「…いいよ。興奮する」
 仁は少し目を細めて気持ち良さそうに呟いた。
「ここの部分舐めてみて?」
 指で示された笠の下の筋が通った所をチロチロと舐めた。
「う・・・・」
 仁が声を漏らすと、びくんっと生き物のように大きく跳ねるのが面白い。
「すっげえ気持ちいい・・・」
 子供がアイスキャンディーを舐めるようにペロペロ舐め回した。
 最初は怖かったけど、やれば出来るじゃない…。
 気づくと先端の割れ目の部分から透明の液体が染み出していた。
「ねえ、濡れてるよ…」
 仁の表情をうかがうと、切なそうにこっちを見た。
「そんな顔で見るなよ。余裕なくなる」
 何でだろう。苦しそうな声で言われてるのに、もっと攻めて気持ちよくなって欲しいと思う。
「次は咥えてみて?」
「うん・・・できるかなぁ」
 口を開けて大きな大きな棒を沈めていく。
「痛っ」
「ごめん・・・」
「歯が当たってるかな・・・」
 こんなに太いものを咥えたのはおそらく初めてで、歯が当たらないようにするのはなかなか難しかった。
 口を限界まで開いているせいで、アゴが外れそうになる。カリ首の部分を咥えるだけで精一杯だ。
「そのまま上下に動かせる?」
 歯で傷つけないように意識しながら、慎重にぎこちなく頭を上下に動かした。
「はぁ・・・気持ちいいよ」
 上を向いて様子を伺うと、仁は切なそうな表情をして私の頭を撫でた。
「理香子エロい・・・」
 口の中に溜まった唾液がこぼれ出て、肉茎を濡らした。
 目を閉じて口元が半開きになった仁は自らの腰を動かし始めた。
 ちょっと苦しい。でも、我慢しなくちゃ。
「やばい・・・出そう」
 仁の切羽詰った声が聞こえた。
「危ない!どいて!」
「ん・・・?」
 一瞬口の中のものが大きく膨らんだ気がした。でも私は呑気にそのまま咥えたままだった…。
 その直後、それはビクビクっと激しく打ち震えた。
「ん―――!?」
 暖かくて少し苦い液体が口の中に広がり、ようやく何が起こったのか私にも理解できた。
「ごめんっ!」
 肩で息をしながら仁が謝る。
「ほれ、どうしたあ・・・?」
 口の中のものをどうすることもできずに、「これ、どうしたら?」と仁に尋ねた。
「吐き出してうがいして」
 言われるがままに排水口に吐き出して口をすすいだ。
「ごめんね…。理香子の口汚しちゃった」
「別にいいよ。うがいすればいいし、ね?」
 正直、うがいをしても口の中にまだ残っている気がしたが、黙っておいた。
 ばつの悪そうな顔をしている仁が可愛い。
「・・・そろそろ出よっか」
「うん」

 タオルで体を拭くと裸のままお姫様抱っこをされてしまった。そのままバスルームを出てどこかへ運ばれていく。
「ちょっと!自分で歩くって!それにまだ服も着てないのに…」
 どすんっ・・・・・・
 仁は無言のまま私をベッドの上に乱暴に下ろし、獣のような目をして覆いかぶさってきた。
「さっきのお返しね」
「カーテン開いてるよ」
「外からは見えないって」
「うそ・・・」
 仁は私の脚を広げると、いきなり口での愛撫を始めてしまった。
 強烈な快感が私を襲い、休むことのない舌使いに必死で堪えた。
 女性の一番恥ずかしいところを口で愛されるなんて、バージンの頃は信じられなかったのに、もっと花びらやクリトリスを弄って欲しい自分がいる。
「さっきのフェラ、めちゃくちゃ気持ち良かったよ」
「そう・・・?」
 じゅっ、ぐちゅっ、じゅっ・・・・
 指で膣壁を大きく動かすことによって空気が入り、恥ずかしい水音を立てさせる。仁はそれを満足そうに眺めていた。
「ヒクヒクしてる…」
「バカ!言わないで」
 羞恥心と快感で混乱しながら、徐々に中心から痺れが広がってくる。
 ヴァギナが蕩けそうに熱くなっている。
「ぁ、はぁんっ・・んんっ・・・」
「理香子、気持ち良さそう・・」
「うっ、うん・・・なんか、いいかも・・・」
「良かった。俺もそろそろ・・・」
 仁は私の下半身から顔を離したかと思うと、いきり立ったものを挿入してきた。
「あぁんっ」
 どうしよう、いつもより気持ちいい・・・。でも・・・
「ねぇ、あれ着けなきゃ」
「あぁ・・・」
 この前はゴムを着けないでしちゃったけど、今日は危ない日だから避妊してもらわなくちゃ困る。まだ結婚生活を2人だけで楽しみたいもの。
「分かった。次からは着けるから」
 そう言いながら動きを止める気配も、抜く気配も全く感じられない。
「だめだよ・・・あぁ、あんっ・・・あっ・・・」
「ごめっ・・・気持ち良くて・・・止まらない・・・」
 仁は盛りのついた男の力で腰をズンズン突き進めてくる。
 私はうわ言のようにダメと言いながらも、仁のペースにどんどん流されていった。
 激しくぶつかる度にある一点が刺激されて、自分でする時のようなあの快感がじわじわと押し寄せてくる。
 さざ波が何度も押し寄せてきた後、やがて避けられない大波へと変わった。
「あぁ・・・ダメ・・・」
 ほんとに、おかしくなっちゃう―。
 私はその波に一気に巻き込まれていった。体が自分のものでなくなるような感覚を覚える。階段を昇り切ると、下半身がヒクつき全身が大きく痙攣した。
「いっ、イクっ!」
 少し遅れて仁が叫ぶと、子宮の入り口に熱いものが当たるのを感じた。中が液体で満たされて何だか気持ちいい。
 私は初めて男性の体でオーガズムを迎えたのだった。
 嬉しさと恥ずかしさが混ざって、仁に抱きついた。


 私は仁に髪を撫でられながら体を休めていた。まだ鎮まらない快感の余韻に浸りながら。
「理香子、いつもと違ったね。もしかしていっちゃった?」
「うん・・・そうかも・・・」
「おぉー?やったな!」
 仁は子供のように喜んでいたが、またすぐにエロいヤツに戻ってしまった。
 私はその夜、パリの夜景を時折横目で見ながら、何度も何度も仁に抱かれた…。
 おかげで次の日、乗り物での移動中はほとんど眠ってしまった。他の新婚さん達も疲れているように見えるのは気のせいだろうか。
 これから数え切れない位の甘い夜を、仁と一緒に過ごせますように――。
 私は旦那様の肩にもたれながら再び目を閉じた。

――――――終わり――――――
【あとがき】
プラトニックな彼女のお話は終わりです。彼女の方はちょっと強がりな性格にしてみました。エッチなことはダメって言いながら流されていく姿に男性は萌えるのかな?しかし、初々しさとエロさを表現するのは難しいですね。

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