私はナース!? 2  (当直室での秘め事の続編)

 前のデートから1ヶ月経ったある日曜日の午後、今度は私が匠の家を訪れた。
 久々にエッチ出来るかもという期待を隠しながら、明るく努めなければいけない。
「よっ」
 出迎えてくれた匠に声をかけると、一瞬、匠はにやっと笑って言った。
「来たな」
「来ちゃったよ」
 シンプルな部屋の中には、手術手技などの本が無造作に机の上に積まれてあって、匠は医師として毎日働いているのだなと実感する。
 私も一生懸命勉強して早く追いつかなきゃ・・・
 ぼーっと眺めていると、匠は首を曲げて私にちゅっとキスをした。
 甘いエキスで心が温まる。 軽く短いキス、それだけで涙が出そうになる程嬉しい。
 日々の勉強モードを解放して乙女モードになれる貴重な時間。 匠も今日は仕事のことは忘れて、別の意味でオトコになっていいんだよ・・・。
「1ヶ月頑張ったな」
「まあね。匠に比べたらまだまだだけど」
「エミが頑張ったのは認めるけど。でも・・・今日も頑張ってもらうからな・・・」
 匠は意味深な発言をした。
「何を?」
「ちょっと待ってろ」

 匠は小さいダンボールから何かを取り出し私の前に差し出した。
「これ、ナース服」
 確かに白くて形も似ているけど・・・。
「え?ホントに・・・?ナース服?」
「本物だよ」
「病院から盗んで来たんじゃないでしょうね?」
「そんなことするか!見つかったら変態扱いだろ。これは通販で買ったの」
 必死で説明する匠を見て可愛くなってしまった。
「着てくれるか・・・?」
 本当は着てみたいという思いが強かったのだが、渋々といった感じで「うん・・・」と答えた。
「じゃあ、あっちで着てくる・・・」
 私は洗面所に向かうと、ごそごそと着替えを始めた。
 なにこれ・・・可愛いじゃん。
 最近は下はズボンのタイプのナース服も多いのに、匠が選んだのはワンピースのものだった。
 医師用の白衣よりもはるかに可愛らしく作られている。
 ミニスカートを履いた女医を想像して興奮する男性もいるかもしれないが、研修医なんて皆、白か黒のズボンで色気なんて感じない。
 私は鏡でチェックを済ませてテレビを見ている慎也にお披露目した。
「先生っ。さっきの患者さんの検査結果が届きましたよ」
 診療を補助するナースを演じてみた。
「・・・・・・」
 笑ってくれると思いきや、匠は私を見詰めたまま何も言わない。
 やばい。張り切りすぎた?恥ずかしい・・・。
 匠の視線が怖くなって洗面所に駆け込んだ。
「やっぱ変だよね・・・」
 恥ずかしくて顔から火が出そうになりながら、ナース服を脱ごうとした。同じ白衣でも気分がこんなに違うとは・・・。
「おい、こっち来いよ。・・・可愛いって」
 匠が居間で呼んでいるのが聞こえて、恐る恐る戻って行った。
「いいね。絵実に似合ってる。萌える」
「もえるって・・・あんた・・・」
 気のせいか、匠は少し赤くなっている?
「新人ナースとドクターが禁断の恋に落ちる設定だな」
 匠がそこまで考えているなんて思わず笑ってしまった。
「じゃあ匠もドクター役なら白衣着てよ」
「俺も?」
「うん。あたしだけ恥ずかしい思いするなんて嫌だからね。いいでしょ?」
「うーん・・・、新しいのあったっけな・・・・・・・」
 匠はクローゼットの奥からまだ使ってない白衣を探してきて、上に羽織った。
 白衣を着ただけで仕事の最中の男性という感じがしてドキドキしてしまった。
「先生っぽくなったね」
「っぽいじゃなくて実際に先生だから。まあ、おまえはナースのコスプレだけどな」
 匠は、「コスプレ」の部分をわざと強調して言ったので腹が立った。
「もうっ・・・言わないでよ!!」
 恥ずかしさに悶えている私を、匠は後ろから抱きしめた。がっちりとした体に包まれて安心感と欲情が入り混じる。
「絵実・・・・・」
 久しぶりのこの感覚に脳が、胸がきゅんと痺れる。
 でも・・・あれ?
「・・・呼び捨て?そんなに親密な仲なんだ?」
「まあ、何回かデートに行ったんだよ。でも一応、名字で呼ぶか。同じだとつまんねえし」
 ふーん、かなり親しくて好意を持ってるけどまだ付き合ってはないってことなのね。
「上原・・・好きだ」
 匠は今度は私の正面に来てじっと見つめた。
「え?」
 真剣な瞳を見ると動けなくなってしまった。
 そうしてるうちに匠の顔が近づいて来て、そっと口付けをされた。
「せんせっ!?」
 病院でドクターから急にキスされて、さもびっくりしたふりをして言った。
 私もなかなかやるでしょう?
「ずっと好きだった・・・・・・」
匠はそう言うと私をぎゅっと抱きしめた後、見つめ合った。
「もう抑えられない」
 強引に唇を重ねて来て何度かついばむようなキスをしていたが、すぐにキスが深くなった。
「ん・・・・・」

 1ヶ月ぶりのキス。その間、匠としたくて堪らなくて妄想を重ねていた日々。
 想いを寄せていたドクターから唐突なキスというシチュエーションもあって、私は奥から溢れ出すのを止められなかった。
 (匠・・・せんせい・・・・・・)
 無機質なテレビの音が響く中で、湿った音が目立っていやらしく聞こえた。 先生の舌が私の口の中に侵入してやらしく絡ませてくる。
 私も愛しくなって先生を受け止めて自らも動かす。
ぬちゅっぴちゃっちゅっ・・・
「んっ・・・は・・・ふぅっ・・・」
 甘い吐息が鼻から漏れてしまう。
 キスだけでお互い息が上がって、今までにない位に興奮が高まっているのを感じた。
「俺、上原を抱きたい・・・・」
「私も・・・先生のこと好きだから。でも誰か人が来たら・・・」
「・・・こんな夜に誰も来ないって。みんなお腹空かせて帰って行った」
「・・・・・・きゃっ」
 ベッドに押し倒されると、当直室でエッチした事を思い出して胸が熱くなった。
「あ・・・・・」
 私を押さえつける力強い腕と性急な愛撫は、男の本能を感じさせる。
 私は小さく喘ぎながら匠の、ずっと恋焦がれていたドクターの欲情を受け入れていた。 髪の毛や首筋、耳元など、先生に触られた場所が全て桜色に染まり、薄い下着に自分の体から出た水分が染み込んでいく。 胸元のファスナーがゆっくり引き下ろされる。
「上原の体、綺麗だ」
「・・・そんなに見ないで下さい」
 恥ずかしさのあまり、両手で胸を隠した。
 普段先生は若い女性の患者さんの体を診ることもあり、私は傍に立って補助を行っているが、 実際に自分が見られたらこれ程恥ずかしいものだとは思わなかった。
 しかも今は「みる」の意味が違う…。 熱い眼差しで、完全にオトコになった目で見ている。
「もっと見せて欲しい」
「・・・先生は慣れてますもんね」
「え?」
「今まで沢山の女の人を見てきて、綺麗な体の人だっているでしょうに・・・」
「・・・違う、全然違う。俺がこんな風になるのは上原だけだ」
 先生はそう言うと、私の太股に硬くなったものを押し付けた。
「・・・先生」
  先生は胸を隠していた私の手を外すと、背中に手を回して片手でブラジャーのホックを外した。
 ブラジャーを上にずらすと先生は私の胸に顔を埋めた。頼りなく決して大きくはない胸に。
 大きな手が私の胸を包み込み、優しく揉んでさする。
 触れて欲しかったあのごつごつとした手が今、私の体の上を官能的に這い回っている。 荒々しいのにどこか優しさを感じさせるその手付きは私をどんどん狂わせる。
 先生の指が私の尖った部分に触れる。 すっかり硬くなってしまったソコを、2本の指で軽く挟んではぱっと離す。
 摘まれる度に体中に電流が走り、まだ触れられてない秘所があられもない姿になっていないか不安に思った。
 くに、くに・・・
 先生が私の乳首を吸う。
 私は熱く疼く下半身と戦いながら体をくねらせた。
 滑った刺激が先端に加えられる度に喉が反り返り、歓喜の声を漏らす。 これだけで達してしまいそうな程気持ちがいい。
「いやぁ・・・・・・先生・・・・」
「止めて欲しいの?」
「そうじゃないけど・・・私、おかしくなっちゃいます・・・」
 先生は私を見ると真剣な顔になった。
 (失言してしまった・・・?)
「上原の乱れる所・・・俺だけに見せてくれ」
 先生は私のワンピースの裾を捲ると、太股に手を這わせた。
 中心の際まで指を寄せ、敏感な皮膚を撫でては私を焦らさせる。
「体、火照ってるね」
「・・・先生のせいですよ」
「もっと熱い所探すよ・・・」
 私は身構えていると、先生はパンティの上から溝をすっと撫でた。 まるで触診をされているような気分だ。
 でも検査と違うのは私の感じる場所を執拗に責めてくること。
 じゅくん・・・
 奥から密が溢れ出してくる。
「どうしたのかな・・・絵実さん、下着が濡れてますよ?」
「・・・セクハラドクターっぽいから止めて下さい」
「ごめんごめん」
 そう言ったものの、実際に私と匠がナースとドクターの関係で、こんな風に診察室で淫らに診察されたらと思うとますます愛液を溢れさせた。
 病気を治療する神聖な部屋で、ドクターが同僚にこんな事を・・・。
 パンティの隙間から指が入ってきて私の中心に触れた。
 や・・・先生の指がこんな所を触ってる・・・
 私の敏感な部分を探り当てては、強弱をつけて指でこねくり回した。
 私のエッチな姿を見ても嫌いにならないですか?
 私は先生にこうやって恥ずかしい所を指で弄ってもらって、 セックスしたいとずっと思ってました。誰にも言えないけれど淫らなナースなの。
「く・・・ふぅ・・ん・・・あぁ・・・・」
 よがり声をあげていると優しく頭を撫でてくれた。
「先生・・・」
「どうした?」
「私、先生のこと大好きだから・・・」
「俺もだよ。仕事中の上原も好きだけど、乱れてる上原も好き」
 きっと恋に冷めてしまった人達には「バカだなー」と思われるだろう。
 でも私にとって、大好きな人と体を触れ合うのはこの上なく幸せなこと。

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