fiancee 4  (関連作品:Please teach me!!
 初めて自分から求めた瞬間。
 あなたの前では貪欲な女になる。
 性的な欲求も口に出してしまう。

 は私を組み敷くと激しくキスを交わした。縺れそうになる舌を吸い合い、どんな邪魔者も入って来れないような情熱的で扇情的な口付け。
 湿った水音が情欲を駆り立て、サウナに入ったみたいに体が上気する。
 二人とも名残惜しそうに唇を離す。絡み合った余韻が残っていてフワフワする。
「くそっ、このまま挿れちまいたいけど…」
 そう言ってバスローブのポケットの中から正方形の包みを取り出した。
「いいよ…今日、多分大丈夫だし」
「馬鹿…そういうことは結婚するまで言うなよ。理性がなくなるだろうが」
 ぶつぶつ呟きながら、バスローブを脱ぎ捨てると避妊具を装着している。
 筋骨隆々のカラダを見ていると我慢できなくなり、私は後ろから抱きついた。がビクッとする。
「あっ、危ないな!出しちまったらどうするんだよ」
 に怒られても私はへへっと笑った。
「大好き」
 だって、片時も離れたくない位愛しいんだもん。
「だから、こういう時にそういう可愛いことを言うな。焦るだろうが」
 クールなも好きだけど焦ってるも好き。
 もっと私に夢中になって、余裕がなくなる位に。
 そうなれば安心することが出来るのかな…?
「痛かったら我慢するなよ」
「うん…」
 気遣ってくれたけど、自分でもびっくりする位、溢れてるから大丈夫だよね。

 男性のアレが欲しくなるなんて、AVの世界だけだと思ってた。
 だけど今、私は目の前にあるの股間についてる猛々しいモノに惹かれている。これが欲しくて堪らない。
 どうしようもなく疼いて仕方ないオンナを鎮められるのはしかいない。
 早く貫いて蓋をして欲しい。

 クレバスを開いて、張りのある先端が窪みに宛がわれる。それだけで私の秘孔からじゅんと蜜が溢れ出す。昆虫を誘う花のように、私の体はを誘惑する術を身につけた。
 が腰を落とすと少しずつ内部に吸い込まれてくる。
「んん……」
 鼻から甘い吐息が漏れ出す。頭上からの苦しそうな声が聞こえてきて、聴覚を刺激する。
 入ってくる時は堪らなくイイ。
 セックスを経験する度にこの瞬間が至福の時となり、待ち遠しくなる。
 内壁はいっぱいになるまで広がり、ゆっくり時間をかけて太い異物を呑みこんだ。
 奥まで収まると、はふぅーっと大きく息を吐いた。
の奥、熱くてドロドロになってる」
 はそっと腰を引いては一気に奥まで差し込んだ。
 じゅぶじゅぶっと蜜が溢れ出し、上品な部屋とは対照的に卑猥な音を奏でる。
「あっいやぁ……」
 恥ずかしさのあまり体をくねらす。
 熱く拍動している海綿体が熟れた肉襞をズリズリと擦って、目が眩みそうな程の快感を生み出す。
「ねえっ…あたしやばいんだから、あんまり…しないでっ…」
 波に呑まれそうになり、必死で訴える。
 それなのにはいやらしい言葉で私を挑発して…。
「俺のがのなか(膣内)に出たり入ったりしてるぞ。もうコンドームがおまえの愛液で濡れて、びちょびちょ」
 私の膝を持ち、大きく広げると、は股間を覗き込んでゆっくりと淫らに腰を前後に動かす。
「そ、そんなの見ないでぇ……」
 想像しただけで顔から火が出そうになる。パックリと割れた唇の間にのモノが飲み込まれていく様を。
「自分の目で確認してみるか?」
 そう言って、は私の体を抱き上げると、斜めにずらした。
「ほら、あっち見てみろ」
 顔をぐいと向けられ、目に入ったのは大きな鏡だった。
 そこに映っているものに衝撃を受けた。見てはいけないものを見てしまったのに、驚きのあまり目が離せなかった。
 全裸で抱き合ってる私達。股を大きく開いてを受け入れている私。
「繋がってるのが見えるだろう?」
 が少し腰を引くと、私の秘所から怒張が引き出される。そして再び、長くて太いものが安々と体内に沈んでいく。
 どんなエッチな写真よりも圧倒的に官能的な光景は、私の目に焼き付いた。体がカッと火照り、 改めて自分達が淫らな行為に浸っていた事実に気付かされる。
「や、やだ…」
 上手く言葉が出て来ない。その代わりに結合部から熱い液体がこぼれ出すのを感じた。
は正直だな。どんなに隠そうとしても、分かりやすくて正直な所がいいよな」
 何もかも見透かしているような口調の
 反論できずにいると、はぐりぐり恥骨を押し付けるように腰を回転させた。
「ん……あぁぁっ」
 熟した芽が恥肉に潰されて、大声で叫びそうになる。気持ちいい!って。
 そんなにされたら、すぐに達してしまうよ…。
 もっともっとにこうして抱かれていたい。粘膜同士で触れ合っていたい。
「だめ、ほんとに!まだいっちゃうのはやだよ…」
 私は泣き声で懇願した。
「そこまでお願いされたら仕方ないな」
 は押し付けるのを止めると穏やかに腰を揺らし始めた。
「だって、ってば攻めるの早すぎ…」
 私の体を知り尽くしているように、感じる所にばっちり刺激を与えてくる。
 こんなんじゃ体がいくつあっても持たないよ。
「ったく、男心の分からねえやつ」
「え?」
「先にを攻めとかなきゃ、俺だっていつまで我慢出きるか分かんねえんだよ。…あーもう、 かっこ悪いこと言わせんなよ」
 ちょっとむすっとしたような顔でそう告げた。それは照れている証拠。
「もー気が変わった」
 は浅い位置で抜き差しを始めた。先端のくびれが敏感な所に当たって子宮が切なく痺れる。
 ああ、まただ。再び内部は忙しなく蠕動を始める。
 しなくて良いのに、体は絶頂を迎えるための準備をしている。
 こんなにイイ事をずっとしてたら、きっとおかしくなっちゃうから体はきちんと調節してるんだね。
 と一緒だったら、隣で肩が触れてるだけで幸せ。
 手を繋いでいるだけで幸せ。
 キスしてるだけで、体を重ねてるだけで…
 この上ない幸福感で満たしてくれる。

「あたし、と付き合って良かった」
「は?何だよ、いきなり」
 怪訝そうに言った彼の表情の中には嬉しさが混ざっていた。まんざらでもないって顔で。
「だって、と付き合わなかったら、こんな幸せを感じることは無かったんだもの」
 変なの。幸せ過ぎたら、人を愛し過ぎたら、胸が切なくなるんだね。
「おまえは…またそういうことを言う」
「え…?」
「だから、最中に余裕が無くなるようなこと言うなっての…」
 切なそうな瞳で私をじっと見つめて来た。私の心は罠にかかってに食べられてしまう。
「いいよ、余裕無くなっても。あたしもとっくに無いから」
 私は見つめ返してそう告げた。二人の視線が絡み合う。
「俺もと付き合って最高に幸せだ。だから…」
 ずっと傍にいてくれと呟くと、の体は奥深くまで侵入してきた。
 とても深い。子宮の入り口まで届きそう。
 先端がいつもとは違う場所に当たって、下肢が痺れを起こした。
 の抽送にリズムを合わせて淫靡に腰を躍らせる。私たちはシーツの海で揺れる1艇の船となる。
 気持ちはどんどん昂ぶり、秘裂は不規則に収縮を始めた。
「だめっ…ほんとにいっちゃう…」
 目の前で星がチカチカ飛び始めた。敏感な蕾も内襞も何もかもが痺れて最大限に広がる。
「もう最後だ…思う存分にイケよ」
 息をする間もない位、激しいピストンが全身を震わせる。
「好き!
「ああっ…俺も…だ」
「もっと来て…突いてっ……」
 一瞬、驚いた表情のが見えたが、すぐに思考が停止する。
 次の瞬間、背筋に電気が走り、全身をガクガクさせながら私は果てた。
 内部ではが切なく震えながら、欲望の証を吐き出していた。

 バスローブを羽織ると、に抱っこされて窓際に置かれてある椅子に座らされた。
 15階の窓からは、ちらほら見える街の灯りと、暗い海がうっすら見える。
「ここのホテルはな、食事が美味しいから、たまに家族で来てたんだ。あと、うちの病院で難しいオペする時、 腕のいい医者を遠くから呼んで、ここに泊まらせたりな」
「ああ…それで、さっきのフロントの人がに挨拶してたんだね」
 それでも、こんな立派なホテルに堂々と泊まれるは凄いよ。
 私だったら気後れしちゃう。
「あそこにある建物、見てみろ」
 は少し離れた所にある一際目立つ大きな建物を指差した。
「あれがどうかしたの?」
「うちの家族がやってる病院だ」
「え!?」
「祖父が理事長で親父が院長をしている」
 酷く驚いた。周囲の建物と比べても相当な面積があるだろう。うちの大学病院に近い大きさかもしれない。
 の家は相当凄いという噂は本当だったんだ。
「前にが熱中症になって、俺が運んだ病院だよ」
「そうだったんだ…」
 病院内部も綺麗で、方向音痴の私なら実習に来てもしばらく迷いそうな程広かった気がする。
 あんな大病院を経営してる家庭で育ったなんて、改めて自分が育った環境との違いの大きさを知らされた。心地良い余韻が冷め、目の前には再び暗雲が立ち込めた。
「おい、また一人で落ち込んでるな」
「だって、うちとは余りにも違い過ぎて…」
 きっと何もかもが違うだろう。住んでいる家も、お給料も食事も車も生活習慣も…。
「家のことは関係ない。俺とは今こうして楽しく付き合ってる。俺たちは幸せだ。それでいいじゃねえか」
「でも…」
「許嫁との結婚を断って、家を追い出されたとしたらそれでいい。俺は将来外科に進んで、一人でやっていく覚悟はある。親の病院なんかで働かなくても、別の良い就職先を見つけるからな。おまえは俺が信用できないのか?」
「そんなことはないよ…」
 昔は不真面目だったみたいだけど、今は相当勉強してるし、研修先探しの実習も熱心に行ってるみたいだから、多分大丈夫だと思う。
 でも親に反対されながら付き合い続けて良いのだろうか。が今まで育ててもらった大切な家族を裏切って・・・。
「俺はと生きることに決めた。好きな女と暮らして、好きな仕事をして生きる。それが俺の幸せだから」
 は誇ったような顔でそう告げる。
 自信たっぷりに言い切れる所がほんとに凄いよ。私にはない強さを持っている。
「お互いの家がどうであっても関係ないって、今日はその話をしようと思ってたんだよ」
「わざわざこんなホテルで?」
「…やましい考えがなかったって言ったら嘘になるけどな」
 は子供っぽい笑みを浮かべた。
「まあ、うちには優秀な妹がいるからな。いざとなったらあいつが継ぐよ」
「そう…妹さんも医者になるんだ?」
「ああ、だからもう気にするなよ。・・・の早とちりが分かった所で、もう一回するか」
 何のことか分かるまでに数秒を要した。
 きょとんとしている私のバスローブにするりと手を差し入れた
「あ… ってば、もう盛ってるんだから…」
「こんないいホテルにこんないい女がいるんだから、盛って当然だ。ところでおまえさー、さっきイク時すごい事叫んでたよなあ?何て言ってたかな。もっと突い…」
「知らない!」
 私は耳を塞いでベッドへと逃げ込んだ。男になった目つきのがベッドに飛び乗る。
 大きな枕を抱えて遮ろうとしたが、の力強い腕でそれはどこかへ飛ばされた。
 熱っぽい視線が絡み合って私は女になる。
 まだまだ夜は長い。

―――――終わり―――――

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【あとがき】短く終わらせるつもりが、4ページにもなってしまいました…。不安になった後のエッチは燃えるのでしょうね(^^)

秘密の液体で潤うエッチ

女性のための官能小説・目次