愛の夢 2
「もっと弾いて欲しいな」
「えー?また…?」
早くベッドへと誘って欲しいと思っていたは困惑した。
体は熱く火照り、既にショーツが湿っているのを感じた。
「嫌?」
「別に嫌じゃないけど…」
乗り気ではなかったが、断る理由が言えないは渋々答えた。
「あと一曲弾いてくれたらお姫様をベッドにご案内する」
「何それ…」
のさらさらの髪の毛を手に取り、は感触を楽しむように弄ぶ。
「今に分かるよ。じゃあ…次の曲は何にしよう。愛が感じられるやつが聞きたいかな」
「愛って、に似合わないこと言うね」
「だって、これからしばらく会えないんだぜ。愛を深めておきたいだろ」
はの顎をくいと持ち上げてキスをした。
「んっ…」
突然のキスに驚いただが、何度も唇を合わせていると次第に力が抜けていく。
二人は、互いの口腔内に愛を注ぎ込むように、粘膜を絡み合わせた。
不規則なリズムの水音との口から漏れる吐息が、愛のメロディーを奏でる。
キスが終わると二人は名残惜しむように抱き合った。
「あまり時間ないから弾いてもらおうかな」
「ん…リストの愛の夢でいい?」
「が好きな曲なら何でもいいよ」
そう言うと、はのジャケットのボタンを外していく。
「何やってんの?」
不審そうにを見るの唇を塞ぐと、彼女の体から力が抜ける。その隙を見計らって素早く着ているものを脱がせていった。
の形の良い胸を、は熱い眼差しで見つめる。
鎖骨に沿って舌を這わすと、の体がぴくりと跳ねた。
あぁ…と甘い声を漏らして喉を震わせる。
全身を疼きで支配されたは、ショーツを脱がされることも抵抗しない。
むしろ、早く邪魔なものを取り去って欲しいとさえ思っている。
もが服を脱ぐのに手を貸した。忙しい合間を縫って筋トレした逞しい肉体が曝される。
早くその体を重ねて欲しい。
会えない間の気の遠くなるような寂しさを乗り越えるためには、彼に思い切り抱かれなければ…。
胸を熱く焦がしながらそう願ったのに。
「なあ、これでピアノ弾いて?」
はじっとを見つめながら言った。
「は?」
は思わず耳を疑った。
二人とも産まれたままの姿である。
こんな恥ずかしい姿で、が見ている前で弾くなんて、考えただけで…。
「やだよ」
がピアノの蓋を閉めようとすると、は腕を掴んで制止した。
「おまえの綺麗なカラダを見ながら聞きたいんだよ」
「…はぁ?意味分かんない」
「分かんなくていいよ。男のロマンってやつだ」
なかなか食い下がらない。
「バッカじゃない?」
けなしながらもは笑顔になった。
「馬鹿で結構」
言いながら、は後ろからの乳房をやわやわと揉んでいる。
「あっ、こらっ…」
さらにうなじを舐め上げて、の冷静な判断力を鈍らせようとする。
「弾かないと止めないから」
いつになくしつこくお願いをされて、は弾かないと収集がつかないと悟ったのだろうか。
「しょうがないなぁ。これで最後だからね…」
彼女は鍵盤に手を伸ばした。
リストの愛の夢第3番。
難解なものが多いリスト作品の中で、比較的易しく大衆にも親しまれている曲である。
元々は歌曲として作曲されたが、後にピアノ独奏曲に編曲された。
歌曲の方の歌詞には、フェルディナント・フライリヒラートが書いた「愛しうる限り愛せ」
という詩が用いられている。
愛することは幸せなこと。
自身、と付き合い、愛し愛される喜びを全身で感じることができた。
「綺麗な曲だね」
細い指で美しい旋律を奏でる裸体の女。
の白い身体は薄暗い部屋の中に浮かび上がっている。
は言いようのない興奮が腹の底から沸き上がってくるのを感じた。
は後ろに移動すると、の胸に手を伸ばし、硬く立ち上がっている突起を摘んで動かした。
小さなおもちゃを弄ぶように、指先で転がし、時にはぎゅっときつく摘んでさらに硬く充血させた。
「んっ…あぁっ……」
は与えられる強い刺激に耐え忍びながら、鍵盤の上で指を躍らせる。
奥から溢れ出す蜜によって、股間の湿度は一段と高くなっている。
ペダルを踏む足がおぼつかない。
しかし止める訳にはいかなかった。
のために、自分のために、最後まで弾かなければ。
愛が溢れるこの曲を弾き通すことによって、会えない時間を乗り越えられるようなそんな気がしていた。
の両胸を揉みしだきながら、痛い位に尖った蕾を人差し指と親指で挟む様にして小刻みに震動させる。
「あぁぁ……あぁんっ…」
はピアノに紛れて小さく喘ぎ声を漏らしながら、もう少し、あと少しと自分に言い聞かせて弾き続ける。彼女の背中には、の雄を象徴するゴツゴツした茎が押し付けられており、余計に淫欲を掻き立てた。
曲が変調する部分に差し掛かると、はさっと屈み込んだ。そしての足の間に入り込もうとする。
「何してんの…」
ペダルから足が離れてしまったは演奏を止めた。
「何ってが気持ちいいこと。ほら、最後まで続けて」
それを聞いたは、がこれから何をしようとしているか想像がついた。
彼が足の間に居る事によって左側のペダルは踏むことが出来なくなったが、この際仕方が無い。
右端のペダルだけを踏んで弾くことにした。
はの左足を持って大きく開かせた。
彼の頭上では曲が盛り上がりを見せている。
そして、の下肢の間は…
薄めのアンダーヘアーから覗く赤い肉裂がパクパク開閉して、が弾くピアノに合わせて歌っているかのように見えた。
「こんなに濡らして。いやらしい眺め…」
は一物を熱くさせながら、の乱れた秘所を観察した。
の視線を感じると、裂け目から甘い果汁がどくどくと流れ出した。
それは黒い椅子の上に滴り落ちて、怪しく光らせる。
「もうやだ…」
ピアノを弾いてるのに、こんなにはしたない所見られて…。
裸でピアノを弾くという、通常は有り得ない状況がの淫心を掻き立てる。
もいつになく濡れている彼女を見て、暴発しそうな下半身を宥めながら秘所へ顔を近づけた。
「あっ……」
熟しきった淫肉を舐め上げた。
左右の唇がきゅっと閉じ、愛液がじゅくんと溢れ出した。堪らないといった様子で、の腰がもじもじ動き出す。
は彼女をさらに乱れさせようと、クレバスの間へと舌を差し込んだ。
舌にきつくまとわり付いてくる熱い粘膜は、異物を受け入れて嬉しさを表現するように怪しく蠢いた。
「あぁもう…弾けない…でしょ」
身体を捩じらせながら苦しそうに告げる。
「ちょっと我慢して……が感じながらピアノ弾いてる姿って、最高にいやらしくてそそられるね」
は自身の唾液と愛液が混ざったものをごくりと飲み干すと、意地悪く言った。
「もうっ…このヘンタイ…」
あとちょっとだから頑張らなきゃ。
でもこれが終わったら、あたしもう…。
曲はようやく最後のページに差し掛かった。
今すぐにでもに抱きついてキスを交わしたい。そして、もっと確かな刺激を与えてもらうために身体を惜しみなく差し出すだろう。
「さすがのもこれに耐えられるかな」
小さく呟いたは、充血して大きくなった芽を舐めあげた。
「ひゃっ…」
あまりに強烈な刺激で、は演奏をミスしてしまう。
「最後まで弾かないと、続きしないから」
はこりこりに固くなった花芽の感触を楽しむように、舌で弄る。唇をすぼめてちゅうちゅう吸いたてる。
逃げようとしてもムダだった。は彼女の腰をがっちり押さえて固定すると、舌を左右に小刻みに動かして昂ぶらせる。
彼女の秘所は忙しなくヒクヒク動いて、余裕の無さを伝えていた。
泉から湧き出す愛液を掬い取って、突起に擦り付けると、指の腹でねっとり執拗に撫で上げる。
「あぁっ…だめっ…」
は足をピンと突っ張らせて耐える。
気持ち良過ぎて、でもピアノも弾かなくちゃいけなくて…気が狂ってしまいそう。
あと少し、あと少しだから頑張れ…。
ピアノの先生から言われた細かいテクニックなんて、この際気にしてられない。
神経は完全に恥ずかしい部分に集中して、そこは既に痺れを起こしている。
悶えながら演奏する。潤んだ突起を容赦なく攻め立てる。
「はぁぁ……」
は身体を震わせながら、もつれそうになる指でついに最後まで弾き終えた。
の仕打ちにも負けなかったは達成感を感じ、肩で大きく息をした。
「すげえよ、…感動した」
は小さく拍手をしながら立ち上がった。
は目頭に涙を滲ませている。
「苦しかったんだからね…」
「ごめんな、でもまた苦しい思いさせるかも…俺、興奮し過ぎて…」
そう告げると、はを見つめた。
二人は奪い合うように激しいキスを交わす。自分の舌がどうなっているのか分からない位、絡みつかせて甘い唾液を啜り合った。
二人が愛し合うのは、これからが本番だ。
キスを交わしながらはの下腹部に手を伸ばした。
いきり勃っている熱い猛りを、慈しむように指で形を確かめた。
竿の部分は石膏のように固くて、幾筋もの血管が浮き出ている。
先っぽは段差がはっきり分かる程に大きく膨らんで、先走りを滴らせていた。
時折ぴくんと震える愛しい彼のもの。
はそれを握るとゆっくり上下に扱いた。
はお腹を震わせると、静かに目を閉じて感覚を集中させた。
夜遅くまで仕事があるは、欲求不満な時に必ずしも自己処理が出来る訳ではなかった。
次の日の仕事に差し支えるので、したいと思う気持ちを抑えてベッドに入ると、泥のような眠りが襲ってくる。
性的なことは出来るだけ考えないようにしていた。
しかし今は、愛する女が目の前にいて自分の性器を擦ってくれている。
今だけは柵(しがらみ)から解放される。我慢の限界だった。
先端から透明な液体が滲み出し、ぬちゅ、ぬちゅ…と湿った音が部屋に響いた。
「いっぱい濡れてきたよ…」
が嬉しそうに囁く。
「おまえがいやらしい手付きでしごくからだろ」
も負けじと、掠れた声で言い返した。
もどかしい感覚がを襲い、欲望が一段と膨張した。
「もう、止めろ…」
はの手を制止させると、腕を引っ張って立たせた。ピアノ椅子を素早く横に退けた。
そしての両手を持ち、ピアノの鍵盤に手をつかせた。バーンと不調和な音が響き、これから起ころうとする出来事を怪しく物語る。
「腰、突き出して」
「こう…?」
に見られているため、は遠慮がちにお尻を差し出す。
「もっと、姿勢低くして」
は腕を鍵盤に置くとその上に額を乗せて、さらにかがんだ格好になった。
は後ろからを眺めると満足そうに微笑した。
「のアソコが丸見えになってる」
こんもり膨れた恥丘から、後ろの窄まりまでじっくり見渡すことが出来た。
「み、みないで…」
が恥じらいを含んだ声で言うものだから、はますます欲情を駆り立てられた。
はの後ろにしゃがんで秘所へと顔を近けると、思い切り息を吸い込んだ。
艶かしいオンナの香りが鼻腔を満たしての雄を刺激した。
愛液をたっぷりたたえたクレバスを舌でなぞる。
「あっ…」
の腰が退けそうになると、はがっちり掴んで逃れられなくする。
腫れ上がった肉壁を丹念に舐め尽くすと、舌を密壷へと侵入させた。
絡み付いてくる襞に逆らうように何度もピストンを繰り返す。
「はぁん…あぁっ…あああ…」
最初は遠慮がちに喘ぎを漏らしていただが、次第に恥じらいを忘れて高い声で歌うようになった。
腰が勝手に動いてを奥深くまで導こうとする。
愛液と唾液が混ざったものが陰毛をしとどに濡らし、の口の周りを汚した。
「くねくね動いちゃって…って、エッチになってきたな」
「そんなっ…ことない…」
口では否定したが、体が淫らになっているのは自身が一番知っていた。
はただの幼馴染であり、最初は話をするだけで楽しかった。
ある時、一線を超えてしまうと、歯止めが利かなくなった。
プライドが高いが自分からキスをし、艶っぽい声を吐いて、淫らにを誘い込む。
体は際限なくを求めていた。
潤みきった洞窟からの舌が抜かれると、代わりに剛直を突き立てられた。
さっきよりも太くて確かなものが体内に入ってくる。
初めて見た時から素敵だと思ったの肉茎。
「っ…んん…」
は声を押し殺しながら受け入れた。
きつく締め付けられながらも、のものは奥まで吸い込まれていく。
「のナカ、絡み付いてきて、すげえ気持ちいい…」
複雑な肉襞は好き放題に動いての官能に火をつけた。
さらに強い刺激を求めて腰を動かす。
「はぁっ…あ、あたしも……」
気持ちいい…。
は脈打つ怒張での蜜路を擦り立て、は荒れ狂う内壁でを温かく包み込んだ。
しばらくの間離れてしまう寂しさを紛らわすために、貪欲に求め合う二人。
ピアノが揺れて、ぎしぎし音を立てる。
が鍵盤の上で手を動かすと、不規則な音を奏でる。それはまるで、彼女の悦苦を表現しているようだった。
背後から聞こえるの荒々しい息遣いがを痺れさせた。
「オフの日には…真っ先に会いに行くから…」
淫らに貫きながらが告げる。
「…うん」
「寂しかったら、何十通でもメール送って来いよ…撮影が終わったらちゃんと見るから」
「…実際に送って来られたら迷惑な癖に」
「からのメールだったら迷惑なわけないだろ…?我慢するな。
分かったか?」
「うん…」
のありったけの優しさを感じては穏やかな表情になった。
しかし、それもまた覆される。
に片手で胸の先端を摘まれると、は悩ましげな声をあげた。
は思いのままに奥深くへと突き立てる。
二人の身体に、次第に波が押し寄せて来た。高波にのまれないように制御しようと努力する。
急速に高まってゆく身体に危機を感じたはから抜け出した。
空気が抜けて、ぶびゅ・・・とはしたない音が秘所から鳴った。
「やだ…」
顔を真っ赤にして恥ずかしがる。
「気にすんな」
はさらっと言うと、の手を引いてピアノ椅子へと導いた。
が先に座り、体勢を整える。
「上に乗れよ」
言われたは、の怒張をあてがうと、ゆっくり腰を落とした。
「あぁ……」
「くぅっ…」
二人は声をあげながら挿入の瞬間の満たされる想いを味わった。
どちらからともなく唇を近づけると、貪るようにキスを交わした。
が舌を突き出すと、がそれをアレに見立てて吸い付く。
下半身も同じようにたっぷりの粘液が絡んで繋がっていた。
「しっかり掴まってろよ」
小さく呟くと、はの背中を抱いて腰を揺らし始めた。
の凸凹した先端で壁を擦られると、子宮がきゅんと疼いた。自らも腰を動かして充血した突起を根元にこすり付けた。
「あぁっ…やっ……あぁぁ…」
二人が目指す場所はただ一つ。
扇情的な眼差しで見つめ合うと、互いの意志を確認した。
一際、が力強く奥まで突く。
「あぁんっ」
の喉が反り返り、を抱く腕に力が入った。
生命が誕生する袋の入り口を突かれて、の下半身にビリビリとした痺れが広がった。
込み上げてくるものを感じ、も破裂寸前だった。
「あっ……いっ…イキそう…」
「イケよ、俺の名前を呼んでイケっ…」
「あぁ……好き、好きだよ……」
身体をぶるぶる震わせながらが叫ぶ。
「愛してるっ…おまえだけは…ずっと傍で、俺を見ていてくれ」
それを聞いたが微かな笑みを見せた直後だった。
今にも倒れそうになる程きしむ椅子の上で、は体を引きつらせながら昇りつめた。
彼女の収縮を感じたも思い切り解き放った。
その後もベッドでクタクタになるまで抱き合い、ホテルを出たのは日が沈み始めた頃だった。
は帽子とサングラスをかけて車に乗る。
「明日から撮影だけど、大丈夫?」
少し疲れた様子のを見て、は心配する。
「ん?激しくエッチし過ぎて大丈夫かってこと?」
「ち…違わないけど、そんなにはっきり言わなくてもいいじゃん」
拗ねたを見て、は心から可愛いと思った。
少し渋滞気味の首都高を降りると、東京の街はすっかり暗くなっていた。
車から降りたは、いつもの別れ時よりも表情が明るかった。
「じゃあな。いつでもメール送ってこいよ」
玄関先でそう告げたに、は素直に頷き言った。
「体に気をつけてね」
これからは一人で寂しがらなくて良いんだ。
実際に何十通もメールを送るわけではないけれど、いつでも気持ちを伝えられる安心感はある。
遠く離れた場所で仕事を頑張っているを想いながら、一人の時間を乗り越えられそうな気がした。
次に会った時に、たっぷり愛してもらうことを夢見ながら眠ることにしよう。
はが車で去るのを見届けると、ただいまーと元気な声で玄関の扉を開けた。
―――――終わり―――――
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