心の鍵を開いたメール 2 名前変換 
 僕はこの年になって、メル友を作るために、フリーメールのアドレスを取得した。
 さんという主婦にメールを送るためだ。
 正直な所、彼女に会うまであまり期待しないでおこうと心に決めていたのだが、会ってみるとそんな気持ちはどこかへ吹っ飛んでしまった。
 大人しそうで清楚で家庭的な感じがする。
 精一杯お洒落をしてきているであろう彼女は、はにかむと少女のような初々しさを感じさせた。
 年甲斐も無く、一人の女性に夢中になって、興奮してしまった映画デート。

 その次の日からは、いつもより仕事が忙しく、さんにメールを送ることができなかった。さんからもメールは来ていなかった。
 『この前は映画楽しかったよ。映画館でのことだけど、勝手なことしてごめんなさい。もしよかったらまたメールしてくれませんか』
 僕は週末、仕事から帰ると、お礼とお詫びを兼ねた「探りメール」を送った。
 それからの僕は、妻の目を盗んではパソコンの前に座り、メールを開いた。
 しかし、さんからのメールは来ることはなかった。
 仕事に行ってもメールのことが気になってしまい、休憩時間にネットを開いてフリーメールをチェックしてしまう。
 月曜日、火曜日、水曜日・・・いつまで経っても愛しい彼女からのメールはない。僕は9割以上諦めていた。

 それから2週間後、忘れた頃にメールをチェックすると、受信フォルダに彼女のアドレスを見つけた。
 僕は急いで開いた。 
 『遅くなりすみません。さんさえ良ければまたメールしたいです。
 妻が隣の部屋にいるのに、声をあげて喜びそうになってしまった。
 社交辞令だとしても、彼女からのメールが来たという事は、まだチャンスがある。
 もう一度、彼女に会いたい。
 中年男のいけない願いを神様は叶えて貰えるのだろうか。

 それからの僕は慎重に言葉を選び、さんにメールを送った。
 ただのやりたいだけの男だと思われないように、なるべく彼女の好きな映画の話題や、他愛のない雑談をするように心がけた。
 メールの文章も徐々に長くなり、以前のような安定したメル友の関係を維持していると思っていた。
 僕もさんも家庭を持つ身。
 誰かを傷つけてしまう位なら、こうしてメールだけで我慢している方が良いだろうと思っていた。あのメールが来るまでは…。

 午後7時。会社の契約駐車場に停めていた車の中で、妻に『接待で遅くなる』とメールを送った。
 しかし、それは嘘である。
 1ヶ月前に、さんから「会いたいです」というメールが届いた。
 それを見た途端、僕の決心はいとも簡単に崩れ去った。
 彼女の方から言ってきたのだから、別に良いだろう。という確信犯的な考えを持っていたのかもしれない。
 押し殺そうとしていた愛欲が、体中に満ち溢れてくるのを感じた。
 彼女はただ、一緒に食事をする相手が欲しかったのかもしれない。
 そんな風に冷静に考えることも出来たけど、頭の中で妄想するだけならどんな事を考えても許されるだろう。
 さんと抱き合っている様を想像したとしても。

 彼女とイタリア料理のレストランでディナーを済ませた後、僕は当てもなく車を走らせた。 助手席には少し緊張気味のさんがいる。
「ご馳走になってすみません。さんって素敵なお店を知ってらっしゃるのね」
「いえ…本当は疎いんですよ。今日食事に行くって決まってから、会社の後輩に雰囲気の良いお店を急いで教えてもらったんです」
 僕が焦って言うと、ふふっと彼女は笑った。
 本当は妻と子供と一緒に来たことがあるのだが、咄嗟に嘘をついてしまった。
 お互い配偶者がいることは知っているが、そのことについてはほとんど話したことがない。でもこれで良いのだ。メル友との付き合いは現実離れしていても良い。今を楽しむために、デートしているのだから。

 こんな時に限って、我が息子は言うことを聞いてくれない。
 さんの横顔や胸元をこっそり見ていると、柔らかく垂れ下がっていた息子が首をもたげてきた。
 情けない。何歳になっても男はエロいのだと実感させられる。
 避妊具をちゃんと持って来ているだろうかとか、余計な心配をしてしまう。
 しかし、時計はもう8時半を回っている。さんもそろそろ家に帰らないといけないだろう。
 紳士であることをアピールするかのように、僕は余裕がある態度をとる。
「じゃあ、そろそろさんを送りますよ」
「あ、はい…」
「どこがいいです…?ここの近くの駅でも、さん家の近くでも…」
 僕が尋ねた後も、しばらく彼女からの返事はなかった。
「あ、心配しないで下さい。住所を探るつもりはないですから…じゃあ、駅で良いかな?」
 僕が彼女の家の近くまで送ると言ったので、身の危険を感じているのではと勘繰る。しかし、彼女は首を横に振った。
「違うんです…別に、さんに家を知られても構わない。単に…帰りたくないんです」
 彼女の小さな声を聞いた時、背筋がゾクっとした。
 男なら、気になる女性にこんな事を言われたら堪らないだろう。
 嫌でもさんを抱いている姿を想像してしまい、再び体内の血液が下半身に集中し始める。暗い車内では、さんに気付かれることはないだろうけど。
「でも、遅くなったらご主人心配するよ。今日は帰りましょう…」
 興奮を悟られないように、そう言うのが精一杯だった。
 これで良いんだと思いながら、さんの反応を伺った。
「私じゃ駄目ですか…?」
 彼女は喉から絞り出すような声で尋ねた。
「はい?」
「この年になって初めてメル友を作って…さんとメールをすることがこんなに楽しいなんて想像出来なかった」
 さんはゆっくりと話し始める。
「自分でもこんな気持ちになるなんて思わなかったんだけど、私、いつの間にかさんのこと…」
「待って」
 僕はさんの話を遮った。
「先に僕の方から言いたい。僕もさんとのメールが本当に楽しみだ。映画を見に行った後、さんからしばらくメールが来なかっただろう?怒らせてしまったのかと本当に後悔した」
「ごめんなさい。あの時は迷ってたから…」
 さんが眉を下げて謝る。
「いや、いいんだ。その後、あなたからメールが来た時に、飛び上がりそうな程嬉しかった。それで、どんなにさんのことを想っていたか分かったんです…さん、僕はあなたのことが好きです」
さん…」
 こちらを向いた彼女の潤んだ瞳に、車のライトが反射してキラキラと輝いた。
 信号待ちになると、僕はさんの顎を引き寄せ、あの時と同じように口づけをした。
「んっ・・・」とさんが艶っぽく鼻を鳴らす。
 僕は堪らなくなり、荒々しく彼女の唇を割って侵入した。
 互いの舌がぶつかった時、ぴくっと彼女の肩が震えて、「あぁっ…」と微かに息を漏らす。
 僕がさんの口腔内を撫で回すと、彼女の舌がしっとりと絡み付いて応えてくれた。
 いつの間にか雨が降り始め、フロントガラスが水滴で被われる。
 信号が青に変わって、後ろの車にクラクションを鳴らされるまで、僕はキスの雨を降らせ続けた。

 急いで車を発進させた後も、頭の中ではこの後、さんをどこかへ連れ去り たいと考えていた。
 近くにホテルはあるのだろうか?
 もう何年もそういう所に来ていないので、分からない。
 今日は一先ず、さんを駅まで送り届けようかと思った時だった。
 僕の太股の上に彼女の手が置かれた。その手が撫でるように軽く動く。
さん…」
 駄目だ。悦んだ愚息はたちまち硬度を増し、ズボンを持ち上げていく。
 そこに触られようものなら、もう抑えられないだろう。
「私をさらって下さい…」
 さんが小さく呟いた。
 僕は次の信号で左折すると、駅前通りから反れて、郊外の方へを車を走らせた。
 若い頃、彼女を初めてラブホテルに連れて行った時のように、期待に胸を膨らませていた。
 これからさんと行う、淫らで最高に気持ちの良い行為。

 しばらく走ると、ある公園の駐車場に着いた。
 夜で雨が降っているせいか、一台も車は停まっていなかった。
 シートベルトを外し、ゆっくり深呼吸すると、僕はさんの方を向いた。
「本当にいいんですか?」
「はい…」
 彼女は静かに微笑むと、カチャとシートベルトを外した。
さん!」
 そこからはもう夢中だった。
 深いキスを交し合いながら、レバーを引いて助手席のシートを倒した。さらにシートを限界まで後ろに下げる。
 パンツの中では、息子が早くぶち込んでくれと嘆いている。
 焦る自分を抑えながら、ジャケットのボタンを一つずつ外していく。
 彼女の腕を動かして脱がすのを手伝ってくれた。
 ブラウスのボタンを引きちぎるように外していく。
 こんなに焦るなんて、セックスのことで頭がいっぱいになっていた10代後半の頃に戻ったみたいだ。
 さんの薄紫色のブラジャーを見た時、頭に血が昇った。
 彼女は恥らっているのか僕の方から視線を反らしている。
 そんなさんの表情と体を見ていると、僕の股間は爆発しそうに膨張してきた。
 妻との数少ないセックスでは、途中で萎えるのを心配するというのに…。
 ブラジャーを外すと、柔らかく温かい乳房がこぼれ出した。
 シミ一つない綺麗なおっぱいに目を見張った。
 これに今すぐにむさぼりついて舐め回したい。
「綺麗なおっぱいだね」
 僕がさんの耳元で囁くと、彼女は恥ずかしそうに首を横に降った。
 触ってもいないのに、既に2つの紅い実が尖っている。
 それを無視して、白い陶磁器のような乳房の感触を堪能させて貰う。
 つるつるのきめ細かい肌は僕の手に吸い付いてきた。
 ああ、さんのおっぱいは何て柔らかいのだろう。
 今起こっていることが、夢なのではないかと錯覚してしまう。
「う……ん…んふぅ…」
 彼女の魅惑的な唇から控えめな声が漏れ出した。
 はばかりながら出すそれは、成人向けビデオの女優のように派手ではないが、僕の一物を恐ろしい程、硬くさせた。
 小豆色の乳首をひと噛みすると、さんの喉が震えた。
 キャンディーを舌で転がすように、口の中で彼女の硬くなった突起を味わった。
 もう片方の突起を指先で震動させると、堪らなくなったのか、お尻がもぞもぞ動き始めた。
「あぁぁ……はぁ…」
 雨が一層激しさを増すと、さんの喘ぎも大きくなった。
 ストッキングを履いたむっちりした脚が、僕の欲望を煽る。
 フレアのスカートを捲ると、恥部に指を押し当てた。
 股の間の温かく湿った感触は、淫らな男心を刺激した。
 邪魔なストッキングを脱がすと、ブラジャーとお揃いのショーツが顕わになった。
 窮屈な姿勢をとっていたせいか、ショーツの股の部分は捩れて肉丘にくい込んでいる。
 僕はさらに辱めるために、クロッチの部分を押すとぎゅっとなぞった。
「あっ、はぁん」
 艶かしい声と共に、太股がゆっくり開く。
 美味しい餌で獲物を誘っているようだ。
 僕は、薄い布切れで隠された陰部が見たくなる。
 それを抑えて、ショーツの横から指を無理やり差し込んだ。
 忽ち、僕の指が液体に包まれる。
 さんのアソコには、大雨が降った後のように小さな水溜りが存在していた。
 その液体が作り出される場所へと指を沈める。
 ぴちゃんという音が今にも聞こえてきそうだ。
 内壁をさらに柔らかくするために、僕は指でぐちょぐちょに掻き混ぜる。
さん、素敵だ…」
「いやぁ…はぁっ……あっあぁん…」
 恥じらいながらも、エッチな声を抑えることが出来ない彼女。
 こんなに濡れているのだからもういいじゃないか、と僕の息子が猛り狂う。
 待て。その前にやることがある。
 僕はショーツを荒々しく脱がせると、さんの脚を限界まで開かせた。狭い車内なので、女性を辱める程には出来ない。それでも充分だ。
 香り立つオンナに顔を近づけると、秘花やクレバスや熟した実などを舐め回した。
 彼女の肉襞は痙攣するようにヒクつき、いやらしく腰をよじらせた。
 愛の滴は、奥から次々溢れ出していた。
 ああ…これがさんのおま○こ…。夢にまで見ていた彼女の禁断の場所。
 今から僕は、彼女のここに挿れさせてもらう。
 旦那さん以外は決して許されることのない純穴の中に…。

 僕も全てを脱ぎ去り、二人の間を隔てるものは何もなくなった。
「…いいんですね?」
 暗がりの中の彼女を見つめて、最終確認をしてしまう。
 相当な苦痛は伴うが、今ならまだ引き返すことが出来る。
 性器同士を結合させなかったからといって、互いの罪が消えるわけではないけれど。
「はい」
 彼女は小さく言うと、誘うように脚を少し開いた。
 僕がコンドームの袋を破こうとすると、彼女の手がそれを制止した。
「待って」
「はい?」
さんの…確かめておきたいの」
「え?」
 さんは恥ずかしそうに僕の勃起している雄を指差した。
「それ、触ってもいいですか?」
「いいよ…」
 承諾すると、僕は身構えた。
 彼女の柔らかくて温かい掌が僕を優しく包み込む。破裂しそうな程膨張した茎を握って、軽く前後に動かした。
「大きいですね…」
 溜め息をつくと、彼女はうっとりしながら言った。
「そうかな」
「これが今から入ってくるんですね」
 先走りを絡めとって、先端になすり付けながら肉棒を弄ぶ。
「そうだよ。ずっとさんの中に挿れたかった…」
「…嬉しい」
 そろそろ耐えるのもきつくなってきた。
「ありがとう。気持ち良かったよ」
 彼女の手をそっとどけると、避妊を済ませた。
 互いの緊張が伝わり、それを打ち消すかのように雨は降り続いていた。
 溢れ出した泉に押し当てると、僕はゆっくりさんの中へ入っていった。
 内部は、妻のものとは違う感触で受け止めてくれ、海綿体はさらに膨張した。
 複雑は肉襞は怪しく蠢いて、僕に絡みついた。
さんが僕を締め付けてるよ…」
「いやぁ…ん」
 熱い吐息と共に、恥じらいと悦びが混ざった声が漏れる。
「スケベなさんも魅力的だ」
 彼女の耳元で囁くと、僕は深々と奥まで突き刺した。
 一際高い声をあげると、さんは体を弓形に反らせた。
 車がぎしぎしと音を立てて揺れる。
「あっ…はぁ…ん…さ…ん」
「はぁ…はっ…さん!」
 僕達は互いの名前を呼び合って、淫らに腰を振りながら快楽を貪った。
 もう、どうなってもいい。
 今は思いのままに、性器を擦り合わせ、快感を生み出すだけ。
 彼女の内部がジワジワ狭まり、きつく締め付けてきた。
「あぁぁ…私もう…」
「いいよ…好きな時にイって下さい」
 ツンツンに尖った胸の実を舌で転がしながら、彼女のおま○この中を掻き回す。
「あぁ…あっ……」
 さんの呼吸が一瞬止まった。僕をつかむ背中の手に力が入る。
 腰をぶるぶる震わせながら、高みへと昇っていったようだった。
 彼女の体から力が抜けた後、僕は若かりし頃のような、押し止めようのない激しい射精を迎えた。

 小雨になった住宅街を、一人の疲れた男が帰路に向かっていた。
 何事もなかったかのように帰宅すると、妻が沸かしてくれた風呂に入る。
 彼女を思い出しながら、こっそり自慰をする。
 そして明日になると、僕はメールボックスを確認してしまうだろう。

―――――終わり―――――
 
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