電車に揺られて
関東地方のあるローカル線の特急電車の中は、平日のためか空席が目立っていた。
3両目電車の一番後ろの席にとは座っていた。
彼らは、一つ前の駅で買った名物の駅弁を仲良さそうに食べている最中だ。
二人とも仕事は土日が一番忙しくなるので、デートはいつも平日に行っていた。そのせいか、どこへ行っても割りとゆったり過ごすことが出来た。
土曜日になると、この電車は指定席をとっていないと座れない程になるが、平日は年配の夫婦や主婦、出張に出かけるサラリーマンぐらいしか乗る人はいなさそうだ。
仕事の疲れを癒すためにはこの旅行を計画したので、混んでいないのは二人にとって有難い。
「ねえ、あとどれ位で着くかな?」
「そうだな…1時間くらいじゃないか?」
「そっか…」
は何だか虚ろな目をしているように見える。
「眠いなら寝てていいぞ」
「分かる?お腹いっぱいになったら眠くなっちゃって…」
「前の駅になったら起こすからゆっくり寝てな」
はの頭を撫でると優しく微笑んだ。
「そう?じゃあちょっと仮眠させてもらうね」
安心しては目を閉じると、の肩にもたれ掛かった。
はのこういう優しい所に惹かれて、付き合うようになったのだ。昔は恋にはスリルも必要だと思っていたが、大学を卒業すると安定した恋愛を求めるようになった。年のせいと言ってしまえば悲しいが、平和な家庭を作るための女性としての本能が芽生えてきたと思いたい。
寝息をたて始めたの太股には自分の上着をかけてあげた。はそんなの気遣いを嬉しく思いながら、心地良い電車の揺れを感じて眠りに落ちていく。
浅い眠りと覚醒を繰り返していると、太股に何かが触れるのを感じた。
最初は気のせいかと思っていたが、それは段々優しく撫でるように動き始めた。
(??なんか気持ちいい…)
隣に座っているのは以外いないので、は安心して眠り続ける。
マッサージされているのだろうと思い、別に止める理由もないのでそのままにしておいた。
しかし、次にが意識した時には、先ほどよりもの手が上の方を這っているような気がした。
(やだ…そんな所触られたらちょっとエッチな気分になっちゃうかも)
直接あの部分を触られてはいないとは言え、太股を触られると女性も意識してしまうのだ。
さらには、内腿の方まで手を入れてきて、微妙な力加減で撫でてくる。手つきもいやらしく感じるのは、自分がエッチなことを考えているせいなのだろうか…。
は徐々にその場所に近づいてくる。
は夢と現実の狭間で秘所が熱くなってくるのを感じていた。
ついにスカートの上から股間が押さえられた。
(あっ…)
ぱっと目を開けると、ここが電車の中なのを配慮して大声を出さないように注意した。
「ちょっと…」
「何?」
はそ知らぬ顔で尋ねてくる。まだ太股の上に手は置かれている。
「何って…どこ触ってるのよ!?」
はをきっと睨むと、囁いた。
「どこ触ってるか言って欲しいの?」
「ち、違う…」
は意地悪く尋ねると、不適な笑みを浮かべた。
「大丈夫。お年寄りばっかりだし、服かけてるからばれやしないよ」
そう言って、再びの中心を撫で回す。
「どうしたの?いつもと違う…」
「たまにはいいだろう?」
性的に淡白だと思っていたがまさかこんなことをするとは、は考えもしなかった。そして、いつの間にか興奮している自分に気付いた。
本気で止めてと言えば、なら止めてくれるに違いない。しかし、は強く言わなかった。
2枚の生地の上から触られる感触は、気持ち良くてもどかしい。
の手の動きでは、が一番感じる場所に当たることがない。
本気で感じてしまったら困ると分かっているのに、そこに触れてくれたら…と考えてしまう。
スカートの奥は熱く潤い始めていた。女性の蕾に血液がどんどん流れ込んでいく。
が通路を隔てた横の席の乗客を確認すると、老夫婦が眠っていた。通路を歩いている人もいない。
今がチャンスと見込んだは、のスカートの下に手を差し入れ、ショーツの上から中心を触った。
は彼が望み通りのことをしてくれて、嬉しさと快感のために声をあげそうになったが我慢した。
の愛液で滑りの良くなった布を上下に擦る。
(ああ…どうしよう。思ったより気持ちいい…このままじゃ我慢できなくなるかも…)
の中指はクレバスの中心をぎゅっと押した。ショーツがあるため、入り口付近を撫でるだけである。
(もっと…もっと奥に……)
心だけでなく、体の深い所まで貪欲にを求めていた。
はある考えを思い浮かべ、扇情的な気持ちで胸がいっぱいになった。
それは、に直接触れてもらうこと。
セックスの前戯では当たり前のことのように行われているが、電車の中で行うなど場違いにも程がある。公共の乗り物で、周りにも人が数人いる中でするなんて…。
「指、入れていい?」
の反応を見て、抑えきれなくなったが小声で尋ねた。
こくんと頷く。
はついにショーツの隙間から指を侵入させた。
薄めのアンダーヘアーを繊細な指使いで撫でながら、徐々に下方に向かっていく。
そこに早く触れて欲しい期待で、の太股の力が抜けていく。
湿度の高い場所に向かっての指は進んでいき、静かに濡れた割れ目を捕らえた。
「すごいよ…もうぐちゃぐちゃになってる…」
は粘膜をいやらしく撫で回しながら、の耳元で囁いた。
周りに聞こえたらとは冷や冷やする。
のそこは充分に潤い、ちょっとでもクレバスに指を入れると泉の中に簡単に飲み込まれていきそうだった。
スカートに染みこんだらどうしようかと心配する位、愛液が溢れ出しそうになっている。
(今日のどうしちゃったの…旅館に着くまで待てないなんて、こんなにエッチなことする人だとは思わなかった…)
のセックスは優しくて心地良いが、たまには心の底から欲望を曝け出して欲しいと思うことがあった。その願いが今叶ったのだ。
滴り落ちる液を掬い取ると、いつもの倍以上に膨れている蕾に擦り付けた。
「んっ……」
の身体はびくんと跳ね、漏れでそうになる声を必死で抑えた。
「声出してもいいよ」
は意地悪く笑う。
「出せるわけないでしょっ」
対抗する気力を萎えさせるように、は蕾を円を描くようになぞったり、軽く弾いたりして、を追い詰めていく。
はあまりの快感のため真っ赤になって俯くと、手の甲を口元に当てて、静かに耐えている。声を出せないことがこんなに辛いことだとは思わなかった。
(もういいから…!早く終わらせて!)
素晴らしい官能も与えられる時と場合によっては苦痛になってしまう。
長時間、の手技を楽しんでいる余裕などない。一刻も早く昇りつめて楽になりたかった。
「も、もう…だめ…」
「イキたい?」
は微笑みながら、蕾に仕打ちを与える。
は素直に首を縦に振った。
「分かった。もうちょっとだから我慢してよ」
愛液が流れ出している所、の欲しがっている所には指を沈めていった。
奥まで熱いぬめりで満たされていたため、ずぶぶぶ…と簡単に吸い込まれていく。
「ぁ…っ……」
は眉間に皺を寄せて、太股を震わせながら挿入を感じている。
足を開いていないので、の指にきつく絡み付いてくる。
濡れきった内壁の弾力を楽しみながら、の感じるところを攻める。
さらにもう一本指を挿入させると、2本の指を不規則的に動かしての意表をつく。
の愛撫によって、秘所はくちゅくちゅと音を立てていたが、幸いなことに電車の走行音によってかき消されていた。
(ああぁ…駄目…おかしくなりそう…)
悦苦に耐えるの瞳には涙が滲んでいた。
の内部がヒクつくのを感じると、は少し出っ張った部分を集中的に押した。
の身体に緊張と期待が広がった。
その時、突然車両前方の扉が開き、制服を着た男性が入ってきてお辞儀をした。車掌が乗客の切符を確認しに来たのだ。
(嘘!どうしよう!切符…その前にこれをどうするの!?)
はの手をショーツの中から出させようと腕を握ったが、は焦って指の動きを早めた。
その結果、の身体は急速に収縮し始めた。
隣の乗客も目を覚まして、ばれやしないかと気が気でない。
しかし、ここで止められたらもっと辛かった。
は器用に指だけを素早く動かし、あるスポットを擦り続けた。
の締め付けはどんどん強くなってくる。
(もう我慢できない…!)
がの蕾をぎゅっと押したその時、は唇を噛み締めた。座席の上で身体を痙攣させながら、は頂点に昇りつめた。
が達したのを確認すると、は素早く指を引き抜き、ハンカチで指を拭いた。
車掌はすぐ近くまで来ていた。
は財布の中から急いで切符を取り出すと、何事もなかったかのように車掌に渡した。
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