電車に揺られて (2)・・・湯船の中で 名前変換
 約3時間電車に揺られた後、二人はとある駅で下車した。
 ホームに下りた時、一瞬ふらついたは慌てて支えた。
「大丈夫?疲れてないか?」
「…うん、平気。さっきまで寝てたから寝惚けてるのね」
 は心から笑顔でそう答えた。
 途中でスリルのあるハプニングもあったけれど、その後ゆっくり寝たおかげで気持ちは穏やかだった。仕事のストレスを解消するためにはの傍でゆっくり眠るのが一番な気がする。
「ガイドブックに載ってた美味しそうな多国籍レストランに行きたいな」
「そうだな」
 二人は手を繋ぐと仲良く並んで駅前通りを歩いて行った。

 食事を済ませると、事前に予定していた観光スポットに数箇所行き、夕方にはホテルに到着した。
 ロビーは広く立派なホテルで、外国人の宿泊客も確認できた。
 チェックインを済ませると、コンシェルジュが部屋まで案内してくれた。
 はいつもとは違うホテルの雰囲気に胸を躍らせている。
…こんないいホテルを予約してくれてたなんて。。。)
「何かお困りのことがございましたら、内線の1番までお気軽にお声をかけて下さい。それではごゆっくりお楽しみ下さい」
「はい。ありがとうございます」
 コンシェルジュが出て行くと、はふぅっと肩の力を抜いた。そして部屋を見渡して歓声をあげた。
「この部屋…いつものホテルの倍以上あるよ。どうしたの?」
「いいだろう?たまには広い部屋でのんびり過ごしたいからな」
「気遣ってくれてありがとう。何か勿体無い気もするけど…嬉しい」
 がお礼を言うと、は照れ笑いをした。
 彼女を喜ばせようと、いつもよりも奮発してセミスイートルームをこっそり予約していたのだ。別に下心などない。ただ彼女との旅行を楽しみたいという思いだけで。
 はそんなとの付き合いが長くなるにつれ、ますます彼に惹かれていくのだった。
 まだまだ彼について知らないことが沢山あるかもしれない。今朝の電車内での出来事もそうだ。ひょっとしたら良い部分だけでなく悪い部分も見つかるかもしれない。でもいつか本物の愛を手に入れるために、彼となら一つ一つ乗り越えて行けそうな気がする。
「ディナーの時間までちょっと休むか」
「うんっ」
 は最高に幸せな気分でキングサイズのベッドに横になり、と抱き合った。
 休憩の後、二人はホテル1階のレストランに出かけて、ディナーを楽しんだ。はフランス料理のフルコースを注文し、少し高価なワインまで嗜んだ。
 豪華なで美味な食事。目の前には愛しい恋人がいる。
 ここでもは至福のひと時を過ごした。
 食欲が満たされると何故かは彼に甘えたくなった。ワインのせいかもしれない。
 部屋へ戻るエレベーターの中で彼の手を繋ぐと、体の奥から熱いものがこみ上げて来た。の顎をとり、目的のフロアーに到着するまでキスを交わした。
 はうっとりして下半身が一気に熱くなった。そう言えば、昼間に彼の指で愛されたのだった。思い出して一層淫らな気分になる。部屋に戻ったらあの広いベッドの上で彼に抱かれたい。零れそうになる想いを胸に秘めながら廊下を歩いて帰った。

 部屋に戻ると、その広さには再び嬉しくなる。これから二人で熱い夜を過ごすだろうと考えると、早くも体の一部が疼き始めた。
 しかしはソファーに座ってテレビを見ており、一向に「事」を始める気配はない。
(何で…?電車の中であんなことしてきたじゃない。今なら誰にも邪魔されずにゆっくりできるのに…)
 自分だけいかされて、男は満足出来るのだろうか。
 の様子を伺いながら、は悶々とした気持ちでその時が来るのを待った。
「さて、行くか」
 突然が立ち上がった。
「え?どこに?」
「露天風呂。10階にあって景色が綺麗だってさ」
「へえ。素敵ね」
 着替えと洗面用具を用意して、二人は露天風呂へと向かった。
 の後を歩きながら少々落胆していた。
 確かに露店風呂は楽しみだけれど、一人で入るのは物足りない。それなら、部屋にある広めのバスルームでと一緒にじゃれ合いながら入りたかったと思った。しかし、はよほど露天風呂が楽しみなのかご機嫌な様子だ。
 浴場の入り口に来ると係員が立っており、にっこり微笑んで言った。
「○○様ですね。11時まで貸切となっております。ごゆっくりおくつろぎ下さい」
「どうも」
 の後をついて脱衣所に入ったは驚いていた。
「ねえ、どういうこと?男女分かれてないの?」
「一時間、俺たち二人だけの貸切になってるんだよ。誰も入って来ないからゆっくり出来るよ」
「うそ…」
 は初めての露天風呂でしかもと二人だけで入れると聞いて、先程までの憂鬱な気持ちは吹き飛んだ。
 脱衣所で裸になって洗い場へと向かった。公共の浴場で彼と二人きりで入るなんて珍しい体験であり、は少々気恥ずかしかった。
の身体、綺麗だな…今すぐ襲ってしまいたい)
 くびれのあるお腹、すらっと細い手足、控えめに生えるアンダーヘアー。は冷静を装いながらも、内心ではの裸体に触れたくて堪らなかった。
 二人は洗い場で体や髪の毛を洗った。と一緒に時々風呂に入っているものの、彼の隣で体を洗うのは恥ずかしかった。
(でも少しの我慢よ…)
 洗い終わったら外の露天風呂に入れる。そう思って急いで全身を洗った。
 引き戸を開けるとヒノキの風呂があり、外気温が低いせいか真っ白な湯気が立ち込めていた。
(うわー、気持ち良さそう…)
 は先に入ると肩までお湯につかった。
「ふぅ…いい気持ち…」
 思わず独り言を言ってしまう。普段はシャワーだけで済ませてしまうことが多いので、全身をお湯につけると何とも言えない快感が込み上げてくる。
「湯加減はどう?」
「丁度いいよ」
 後からも入ってきた。湯面が大きく揺れて、の方に近づいてくる。彼はを後ろから抱きしめるような形になって座った。
(あ…この体勢、何かいいかも…)
 広い胸板で体を優しく包み込まれて安心感がある。
……」
「何?」
「好きだよ」
「…ありがと」
 在り来たりな言葉だけれど身体が温かさと嬉しさで満たされる。
「こんないいホテル選んでくれてありがとね」
「…大したことじゃないよ」
 の気遣いに心から感謝していた。今度は自分も彼のために何かしてあげよう。そうやって互いのことを想い合うことによって、恋から愛が生まれてくるのかもしれない。
 甘ったるい空気の中、を抱きしめていたの手が怪しい動きを見せる。
 お湯の中での柔らかな膨らみを包み込むように両手を動かした。
 はぴくりと肩を震わせて溜め息をついた。
 辺りは静まり返っており、蛇口から湯船の中にお湯が流れ込む音しか聞こえない。
 の長い指で下から揉みあげられる度にの中心が熱く溶け出す。
 これから起ころうとしている行為を邪魔する者は誰もいない。どんなに乱れたっていい。目も眩むような甘い期待がの胸を焦がさせる。
 壊れ物を扱うように柔らかい部分だけを弄ばれて、もどかしさを感じている。自分だけが興奮しているのではないかと不安になる。しかし、お尻に当たるの固い部分に気付いていた。この逞しい器官で自分のオンナを犯して欲しいと願う。
 はわざと興奮を抑えながら、の濡れている首筋に舌を這わした。
「あっ…」
 は小さく声を漏らすと俯いた。は触れるか触れないかの微妙な舌使いで首筋から耳朶をなぞっていく。温かい温泉につかっているのに皮膚の表面がゾクゾクする。
 身体が急速に火照りだす。艶のある吐息を吐いては、の興奮を増幅させた。
 昼間、電車の中で彼の指で一方的にいかされて、身体の芯の熱がくすぶっていた。他の客も利用する公共の場でこんな淫らなことをするなんて、何て動物的なんだろうと思いながらもの手を止めて欲しくなかった。
 まだ触れられてもないのに、胸の突起が固くぷくっと立ち上がっている。はさんざん焦らした後での両方の蕾を摘んだ。
「っ……ぁ……」
 声にならない声で悦びを表現すると、は身体を大きく震わせた。
 の反応を見て満足気に微笑むと膨らんだ蕾を好きに弄んだ。
 先端をちょんとつつくとが溜め息を漏らす。電車の中で一度達したはずなのにもう一度あの快感を、いやあれ以上の快感を彼の肉茎で与えて欲しいと願う。
(…早く…下にも触って……)
 胸の先を丁寧に愛されて、の下の花弁からは香り立つ液体が湯の中に溶け出していた。温泉の中という初めての場所に心躍らせる。
 ふいにの身体から離れた。
「ここに座って」
 を浴槽の淵にある段差に座らせた。鳩尾から下だけがお湯に浸かり、これで好きなように胸に愛撫ができる。
「きれいだ…」
 の身体を眺めて目を細めた。
 桜色に火照った肌に触れる。柔らかく膨らんだ女性の象徴である二つの丘に手を触れる。
 正面から触られるとは戸惑ってしまう。感じている顔も、反応する蕾も全て見られてしまう。しかし、心の奥底に眠っていた情欲が湧き上がってくるのにさほど時間はかからなかった。
 の秘所から体液がじゅわっと溢れ出す。が蕾を口に含んだからだ。強烈な刺激はを淫らな雌に変身させる。
「あぁ…ん……ふぅ……」
 お湯の中でひっそりと局部をひくつかせながら、甘い声で喘ぐ。それに合わせての肉茎もぴくりと動いていた。この旅行中に何度も固く膨らんでいたが、そろそろ我慢の限界だ。愛しい女の秘めた部分に押し込みたくなる。
 徐々に開いてきているの太股の間に手を差し入れる。
 湯の中で揺れているアンダーヘアーに触れ、敏感な奥地を探っていく。
 は「そこ」に触れられる期待で頬を紅潮させていた。はっきりしない指の動きにもどかしくなり、じわっと透明な粘液が奥から出てくる。
 の花びらをつつくと、それは久しぶりに水を与えられた植物のように悦びに震えた。
 の指が入り口まで辿り着くと、欲情の液体がはっきりと感じられた。お湯とは明らかに違うぬるぬるしたものが周辺に付着している。その液体を弄びながら、溝を上下に擦った。
 は感覚をそこに集中させ、悩ましげな目でを求めている。既に準備は整っており、丹念な前戯はいらないように 思える。しかし、自らの欲望に耐えて、挿入前にどれだけ乱れさせることが出来るかは男性の腕の見せ所でもある。
「あぁっ……んっ…」
 肩を震わせながら強い刺激を待ちわびている。欲望の洞窟へ誘う(いざなう)ように潤滑油をたっぷり流す。
、電車の中で気持ち良さそうだったな…すごい濡れててさ…」
 いやらしさを強調して耳元で囁く。
「だって…(があんなにするから…)」
「隣のお年寄りに見られていたかも」
「…うそっ!?」
 本当はそんな気配は感じなかったのだが、わざと意地悪くを攻めた。
(やだ…電車の中であんなはしたないことをしてるのを見られたなんて…恥ずかし過ぎる!)
 今もに同じようなことをされているため、の羞恥心も倍増した。
がぐちょぐちょにされて感じてる顔見て、興奮してたよ。きっと…」
「いやぁ……」
 言葉とは裏腹に、秘所から出る液体がお湯に流されても新たなぬるぬるがの指にまとわりつく。
 早く挿れて欲しいと言わんばかりに、花弁が肥厚し震えている。
「温泉の中でこんなに濡らしちゃって…」
 そう言いながら秘められた柔らかい道に指を挿入させていった。
「んっ……ふぅ……ん…」
 少量のお湯と共にの指が中に滑り込んでくる時、は鼻から大きく息を吐いた。
 抑えきれなくなり、とろとろに溶けてしまった欲望を満たしてくれる。お腹側の内壁を擦ってやると、嬉しそうにの指をきつく締め付けた。
 何度触っても飽き足りない。の膣の感触に彼の股間のモノも大きく期待を膨らませる。この日のためにマスターベーションを3日間控えていたので我慢の限界に近づこうとしていた。と同じように潤滑油が先端からお湯に滲み出している。
「挿れていい?」
 が尋ねると、は切なげな表情で見つめて懇願するように頷いた。
 すっかり準備が整っているの太股の上に、はゆっくりと腰を下ろして行く。こんな体位でするのは初めてである。しかも、こんな場所でこっそりと…。
 彼の滾ったモノを女性の入り口で捕らえると、体内の深い処に導いていく。
「あぁぁ…う゛……」
 快感と苦痛が入り交ざり、は小さく呻いた。
 求めていたものはあまりにも硬く熱が篭っていた。狭い秘所を彼の先端に広げられながら、少しずつ奥へ侵入してくる。
 女性には決してないこの器官に恋焦がれ、一人濡れる夜もあれば、実際に肌を触れ合わすと畏れを抱くこともある。
 と抱き合うだけでも満たされるのだが、下半身についているたった一本の棒を見ただけで歯止めが利かなくなる。
も同様だった。彼女の花弁の奥を想像すると、思春期の少年のように身体が反応する。実際に触って、そこがしとどに 湿っていればもう中に挿れたくて堪らなくなる。
 控えめな喘ぎ声を出しながら、湯の中で一つに交わった。
のなか(膣内)熱いよ…すごい締め付けてくるし、いやらしい」
 そう言って、後ろから彼女のおっぱいの感触を楽しむように手で弄んだ。
だって、こんなに大きくなってるから、なかなか入らなかったよ…」
 も負けまいと言い返す。
「仕方ないだろ。おまえが魅力的すぎるから、すぐに勃っちまうだもん」
 女性として誉められて、しかも素直に認めるものだから、の心臓は高鳴った。自分の身体を見て興奮してくれるのは嬉しいし、彼の気持ちを想像すると、卑猥な気持ちが湧き上がってくる。
「こんな風に動かしたくなるし」
 の腰を掴むと自身の腰を揺らし始めた。水面の波が次第に大きくなる。
「んっ……」
 充分濡れている秘腔と彼の怒張が摩擦し合って、二人の性感が高まってくる。さらにお互いを快感の渦へ巻き込むために、 それぞれの性器は複雑な動きを続ける。
 の張り詰めた先端がの奥に当たり、強い刺激を生み出す。自分の身体の中に存在する得体の知れない何かを彼のいやらしい棒で突いて、天国へ連れて行って欲しかった。
「気持ちいぃ……」
 は小さな声で呟いた。  恥ずかしいけれど、言葉に出さずにはいられなかった。
(とってもいいの。だから…もっともっと、ずっと二人で気持ちいいことしようね…)
「う……俺も気持ちいいよ…」
 バシャバシャと水音を立てながら、は苦しそうな声で伝える。フィニッシュのことが二人の頭の中に浮かぶ。
「なぁ、今日は…」
「…そのままでいいよ」
「ほんとにいいのか?」
「うん…大丈夫だから」
 から了承の返事を貰うと、のそれは期待でより一層膨張した。愛する人の体内での放出は正に至福の瞬間だ。
 自分のためにも、そして彼女のためにも最高のクライマックスを迎えたい。
 自分の怒張を呑み込んで、苦しそうに潰されている蕾にそっと触れると、の身体がよじれた。小さな蕾は平常時よりも充血して膨らんでいるのが分かる。結合部から漏れ出している蜜液を擦りつけ、優しく円を描きながら攻めてやる。
「だめっ……あぁっ…」
 刺激が強すぎるのか、の指から逃れようとする。膣内がぎゅっと締まり、こっちまで余裕がなくなる。
「そんなにしたら…」
 もじもじしながらが余裕のない声で呟く。
「イキそう?」
 が尋ねると、は静かに頷いた。
(思いっきりイカせてやるよ!)
 にも限界が近づいていて、それをに悟られないように必死で堪えていた。
 を一旦、自分の足の上から下ろさせると、今度は彼女を段差に座らせた。そして彼女の太股を大きく開くと、目的の場所に腰を落とした。
(入ってくる…!)
「あっ…はんっ……」
 一瞬身体が離れて寂しかったが、再び熱が篭った。は「もう離さない」とでも言うように、奥まで入れるとをきつく抱きしめた。
「俺やっぱ、の顔見ながらするのが一番好き」
 繋がっている愛しい人に嬉しそうな顔で言われると、全身が蕩けてしまいそうだ。
「あたしも…」
 ドキドキしながら言うのがやっとだった。
 温泉の効果もあって、二人の身体は一層熱く燃えている。息を切らせながら激しくぶつかり合う。もうこのままお湯と一緒に、と溶けてしまいたかった。
水音が大きくなった頃、二人も最後を迎えようとしていた。
「もうだめぇ……」
 泣きそうになりながらも、のために必死で遅らせようとする。のためにタイミングを合わせようと、腰を打ち付ける。
「我慢すんなよ!イケ…」
「いっ、いいの…?」
「ああ、俺ももう……」
 は今にも痙攣を始めそうな下半身から力を抜くと、の衝動を素直に受け止めた。
(奥まで来てっ……)
 喉がカラカラに渇いている。秘所への刺激は急速に高まって、もう後には引き返せない所まで来てしまった。ずんっ、ずんっ、震動が伝わる度に、のオンナはをきつく締めていく。
 そして、緊張が最高潮に達した時…
「い、いっちゃう…あ、ああぁぁぁ………」
 全身をガクガクと痙攣させながら悦びを味わった。
 が達したのを見届けると、も堰を切ったようにの中に勢い良く放出した。
 事が済んだ二人は汗だくで、温泉でリラックスするつもりがへとへとになってしまった。
「やば…もうあんまり時間ないかも…」
「そうだな。軽く身体洗って出るか…」
 二人は大急ぎで後始末をしながら、内風呂のシャワーを浴びた。
 着替えを済まして、更衣室を出る頃には12時3分前になっていた。
「…ぎりぎりだったな」
「ほんと、疲れた…」
 ひそひそ話しながら廊下に出ると、係員がにっこり笑って立っていた。
「お湯加減はどうでしたか?」
「あっ、とてもいい温泉でした…」
「ど、どうもありがとうございました」
 気持ち良かったです。と言いそうになったはハッとして、言葉を飲み込んだ。恥ずかしくてまともに目を合わせられないまま挨拶をし、二人で気まずそうに去っていった。
 帰る途中で、次に貸切風呂に入るであろうカップルとすれ違い、再び気まずい思いをした。そして、彼らも温泉で楽しむかもしれないねとは笑い合った。

―――――終わり―――――  

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