格闘系の私(1)  投稿: はるか 様 
 私の高校生活も残り1ヶ月。そう思うと浅い溜息が漏れる。
 歩き慣れた細長い廊下の突き当たりに、私の思い出が詰め込まれた体育館が見える。私は小走りで入口に向かうと、両手に力を込めて重い扉を引き開けた。
 誰もいない体育館に夕日が射し込み、磨かれたこげ茶色のフローリングに柔らかな光の束が降り注いでいる。
 ここは私が女子レスリング部で3年間過ごした体育館。練習が厳しくて涙を流し、仲間と励まし合ったこの体育館。
「よう!格闘家」
 聞きなれた声が聞こえた。声の持主は、クラスメートの松山拓人。
 両親はオーケストラの道に進めたくてタクトと名付けたけど、小さい頃から逆らってバスケをやっている。拓は指揮棒のようにヒョロヒョロとした男にはなりたくないと言っていた。
 拓は相手を喜ばすような事は言わない。私だって誉められた事は一回もない。だけど、彼の優しさは良くわかっているし、彼を理解したファンも多い。でも、不思議に彼女はいないみたい。
 学校の中でも外でも私と拓は仲の悪い犬と猿。私は噛み付く犬を装っているけど、あいつは猿。木の上から石を投げつける悪い猿。
「その呼び方は止めて。キチンと名前で呼んでくれない」
「悪い悪い・・・なら、たわらちゃん」
 また拓が言った。
「拓のせいで、変なあだ名がついたのよ。許さないから」
「そんなに、怒るなって」
 私は背が低く少しだけコロっとした体型。そして動きが素早いから柔道のメダリストに、もじられて[たわらちゃん] 私の名前は高瀬 夏江。思い出の詰まったこの場所で、拓を目の前に気持が高ぶっていた。
 拓はズボンのポケットから両手を出し、ゆっくりと自分の髪を後ろに流しながら、意味の解らない事を言い出した。
「お前って、どのくらい強いの?」
「どの位って言われても・・・解らないよ」
「だってお前、レスリングで全国に行ったんだろ」
「でも2回戦で負けたし、県大会のレベルが低いかもしれない」
「でもさ、お前と戦ってみたいんだ。俺プロレスも好きだし」
「ちょっと拓、プロレスとレスリングは違うって」
 そういえば、県大会で優勝した時に調子に乗って言ってしまった事がある。その辺の男子には負ける気がしないって。背の高いほうが腰も軽くて、投げやすいって。拓は、その言葉を覚えていたのだろうか。
「お前も教室の大掃除でジャージだし、調度良いじゃん」
「拓、レスリングのルール知ってるの?」
「知らないよ。でも細かいルールなんて、どうだっていいよ。真剣な試合じゃないし」
 確かにそうだけど・・・
 拓はやる気満々の表情で学生服の上着を脱ぐと、体育館の端に投げ飛ばした。あの自信に満ちた根拠はどこにあるかは解らない。
 ただ、レスリングごっこを楽しみたいだけにも見える。
 拓がニンマリとした笑顔で悪がきのような言葉を放った。
「早くやるぞ。俺がお前を鍛えてやるから、かかって来なさい」
 憎たらしいいつもの言葉使い。少し懲らしめてやろうと思った。あの自信満々の表情をガラッと変えてやりたい。そう、私に試合で負けた選手のように。
 拓は両手上げて手首をクネクネ回して、仁王立ちしている。
「いつでも、かかってきなさい」
 拓の顔が微妙に引き攣っている。
 私は腰を目がけて瞬く間にタックルをした。案の定、4歩5歩と拓を後ろに押し付けた。そして、一気に拓を寄り倒そうと思った。
「えっ」
 思わず声が出てしまった。おしりと背中に両手を回され、私が持ち上げられた。
 まるでその姿は親に抱かれた幼児のように。
「ちょっと、拓・・・離して」
 両足をバタつかせて暴れる私を抱きかかえたまま、拓は両膝を折ってしゃがみ込んだ。そのまま私の頭に手を添えて優しく床に置いた。
 しかし、ニンマリとした表情に変わると、両手で私の肩を床に押し付けた。
「ほら、勝った。両肩を床に付ければ勝ちでしょ?」
「違う違う、勝ちじゃない。ポイントがつくだけ」
「いいよ、そんな面倒なルール、簡単なやつでやろうよ。さあ第2クールを始めよう」
 私の言う事なんて、全く聞く耳を持たずさっと立ち上がると、また、仁王立ちのポーズを取って待っている。それにしても変だ、なぜ、私が簡単に持ち上げられてしまったのか・・・
 でも、なんか悔しい。次は必ず倒してやる。
「さあ、どこからでもかかって来なさい」
 あ〜憎たらしい。またあの顔で挑発して来る。次は本気で倒してやる。物音一つ無い体育館の中で、拓の呼吸する音が聞こえる。
 キュッ!私の靴音が体育館に響く。
 今度は拓の右足を取ると一気に持ち上げた。片足でよろける間もなく倒すと、私が馬乗りになって両肩を床に押し付けた。
 あっという間の勝利。拓は頭を床に叩き付けられ唸っている。
「拓のルールでやると、今回は私の勝ちね」
「痛って〜な、少しくらい加減すれよ」
 頭を撫でながら立ち上がった拓は、片目に皺を寄せ、歪んだ顔をしてルール変更を言い出した。
「やっぱり、このルールじゃ面白くないな。次からは負けましたって言うまで戦うのはどう?お前だって得意技があるんだろ?」
 少しはレスリングに近づいたかもしれない。腕力の強い相手を押さえ込むのが私流の勝ち方。転んだだけで勝ち負けがつく、相撲のようなルールじゃ、私も楽しくないと思ってた。
「私の関節技は痛いわよ。泣いても知らないからね」
「よし決まり。最後の第3クールは『降参』で勝負を決めよう」
 今度の拓はハエが手を擦るように腕を前に出すと、ウルトラマンのように待ち構えている。最後までバカにしている。
 私は小さい頃から負けず嫌いで、男の子とケンカをしても泣きながら殴りに行った。転ばされて握った砂でさえ、相手に投げつけるような子供だった。私が本気を出したら拓なんか赤子も同然、少しだけ遊び相手をしてあげる。
 拓との距離は約1メートル半、私の得意な間合い。
 遊びでも、先手必勝!
 靴音さえ鳴らない間合い。右足を取った瞬間に肩で拓を押しつけると倒れる事を確信した。その瞬間に強い力で私を引き付けると、倒れたと同時に私は自由に動きが取れなくなっていた。
 いとも簡単に私を抱きかかえたまま半転し、私を床に張り付けようとする。私は隙間をぬって両足を拓の胸に当て、強く押し付けて体を引離した。そのまま反転し立ち上がろうとした時に、両肩を引っ張られ尻餅をついてしまった。
 そのまま後ろから抱えられたまま、仰向けに倒されるとバランスを失い宙に舞った私の足に拓の両足が絡みつく、脚を開く事も閉じる事さえ出来ない。私の右腕は拓の体の下に追いやられ、左腕は手首を握られている。
「ちょっと拓、離して。だって、こんな体勢はレスリングにも、プロレスにだって無いよ。全然試合になってないよ」
「ん〜・・・そうかもしれない。でもお前が降参するのなら、離してやってもいいよ。それが今回のルールだろ」
 でも私は負けてないし、試合でも身動き出来ない体勢から、何度も逆転勝ちをしている。その状態から勝つのも私の強み。だから、負けは認めない。
「早く、負けを認めな夏江」
「やだ、私は負けてない」
 間違えた振りして、肘で肋骨を打ったら簡単に抜けられるから。
「俺は技も知らないし、かけ方も解らない。だから、押さえ込む事しか出来ないんだ。ここまで抑え込んだら俺の勝ちでいいだろ」
「いやだ。私は負けなんか認めない」
 拓の体温が急に上がったような気がする。熱気を放つ胸と腕のせいで私の体も汗ばみ始めた。
「本当に夏江は負けず嫌いだな」
「そうよ。負けるのが嫌いなの」
 急に拓が真剣な顔して私をみつめた。
「なあ夏江。何で勝負を挑んだか解る?」
「そんなこと、わからない」
「実は俺、お前の事が気になっていたんだ。お前より強い事を証明しないと告白も出来ないと思って。それで勝負を挑んだ」
 拓が私の事を・・・あんなに私の事をバカにしていたのに・・・
 でも、拓から告白され、嬉しくて叫びたい。でも、あまりに真剣な顔をするから、もう少しからかってあげようと思う。
「なあ、だから負けを認めろよ」
「なぜ、その理由で私が負けを認めないとダメなの。拓がキチンと勝てばいいだけでしょ」
「わかったよ。でも、俺・・・技なんか知らないし。分の悪い勝負だから、最後のルール変更をしてよ。俺が勝ったら夏江は俺と付き合う。いいでしょ」
「えっ・・・」
 なんて好都合なルール。
「それとも、俺に勝つ自信がないとか?」
「なに言ってるの。私が勝つに決まってる」
「そう、じゃあ俺も手段は選ばない。必ず夏江に降参と言わせてみせる」
「私だって手段を選ばない。肋骨や腕の骨折は覚悟してよ」
「夏江は猛獣だね。絶対に途中で逃げる事は認めないよ」
「わかったわ」
「じゃあ試合再開だね」
 拓が握った拳を私の腹部に置いたまま考え込んでいる。
 まさか手段を選ばないって殴る気なの。少し位殴られても平気だけど、私を殴ってまで降参させたいなんて考えられない。
「早く抜け出さないと手段は選ばないよ。絶対に降参させるから」
 握り締めた拳とは反対の優しい声。
 握り締められた拳が開かれた右手は、ゆっくり下腹部へと移動し、ジャージの中に入って来た。
「ちょっと、拓・・・なにするの?」
 絶対に許さない。必ず抜け出して肋骨を折ってやる。
「拓、やめて」
 拓の口から小さな声が聞こえた。
「好きだよ、でも、ごねんね」
 私はこの言葉でフリーズした。このまま抜け出したら、拓もいい訳に困るはず。
 拓の指先がジャージの中に入り込むと、そのまま手の平全体で、秘部を包み込み、中指で割れ目に沿って下着を食い込ませて来る。
 暴れる私を必死に捻じ伏せながら、上下する指の節が蕾を集中的に優しく擦る。
 感じたらダメだし濡れるわけにもいかない。でも抜け出したら、拓に恥じをかかせるし、ますます悪い状況になってしまった。
 休まる事なく繰り返される蕾への攻撃。引き抜いた拓の手が強引に下着の中へ入って来る。薄めのヘアーは何の抵抗もせず、侵入を妨げない。指先が蕾まで辿りつくと、かわいた花弁が指先を拒み抵抗している。
 快楽を得る事もなく、擦り潰される蕾の悲鳴が、電流のように芽芯へ突き刺さる。
「夏江。早く降参してよ。これじゃまるで、敵に捕らわれた女スパイの拷問だよ」
「・・・・・」
 拓が蕾の攻撃を止めると、ズボンのポケットから小さな子瓶を取り出した。リップクリームより小さい透明な容器。
「これ、ローション。大杉からもらったんだけど・・・」
「ちょっと、やめて」
 私の言葉を無視すると器用にフタを片手で開け、私の秘部へと潜り込み、汗ばみ始めた蕾に塗り込んで行く。
 少し冷たいローションは割れ目に沿って流れ、おしりにまで到達する。そして、人工的に潤わされた蕾に大きく円を描いて指を擦り付ける。
「好きだよ・・・夏江」
 何度も繰り返される告白に混じる『ごめんね』の言葉。謝るくらいなら、こんな事をしなければ良いのに。
 執拗に続く指の責めに、身に覚えのある仄かな快感を感じる。私の泉の擁壁に出来始めた小さなほころび。ダムの決壊に繋がる小さな水漏れ。今この小さなほころびを修復しなければ乱されてしまう。
 交際する前に乱されたら淫乱と思われるし、触られてから彼女になりますとも言えない。
 やっぱり、ここは抜け出すしかない。
 私は握られた左腕を振り払い、絡まる脚を自由にする為に力を絞って抵抗した。
 握られた左腕を強引に真上へ伸ばし、このまま拓の脇腹を狙って振り下ろしたい。もう少しで脇腹にたどり着く。
 握り締める手が少しづつ抜け始め、親指一本さえ届けば肋骨に捻り込んで抜けられる。
 蕾を弄んでいた拓の右腕が加勢に入る。必死になって戻そうとしている拓。私は左の脇を閉めて体を捻れば、間違いなく親指を捻り込む事が出来る。でも・・・・私の左腕は押し戻された。
 一時的に小さなほころびは修復出来たけど、拓を傷つけないで抜け出す作戦が思い浮かばなかった。
 再び潜り込む拓の手・・・
 潤ったままの蕾をコネる指に、再びほころび始める泉の擁壁。自分で慰めるより少し強い刺激が、ほころびを大きくする。
 徐々に堪えきれずに膨らみ出す蕾、走り抜けた電流が快楽に変わり始めた。
 小さくうねり始めた快楽が追い詰めてくる。心の片隅に隠れた、拓を受け入れる心が、自分の意思で体のコントロールする事を不能にする。強い刺激を求めた蕾の芽が顔を出し、擦られた刺激に思わず声が漏れる。
「あっ・・・」
 溢れ始めた泉の蜜を、えぐるように指で採り芽芯に盛られると、指先で何度も弾かれる。
 弄ばれた秘部から溢れ出る蜜と漏れる声。
 私が感じているのはどうやっても隠せないし、拓が気付かない訳わけもない。
 今まで耐え忍んだ私の顔は、紅潮した女の顔に変わっているはず。
 渇いていた泉から蜜が氾濫し溢れ流れ、どこまでも強がった私が、子犬のような喘ぎ声を押し殺している。
 恥ずかしい。
 せめて、顔だけは見られたくない。拓の腕の上で、顔をそむけた。
 拓が左腕で私の頭を包み込と、首筋に抱き寄せた。自由になった私の左腕は拓の肋骨をへし折る力も残っていない。拓が私の頭を優しく撫でると、右手は勢いを上げて蕾を擦り付け、大きな快楽の波が芽芯を震源に全身へ押し寄せる。
 拓の胸に顔を埋め快感に耐え続けると、頭の中までボーっとしてくる。速度を上げて昇らされると、拓の首筋に乱れた吐息を吹き付け、体が酸素を求めてくる。
 とめどなく蜜を流しながら、昇りつめた私を許してくれない。
 全身が痙攣したまま、容赦なく芽芯を擦り潰されると、私は震える声を出しながら体を大きく仰け反らせた。引き攣る快楽から逃れる為に拓の手首を握ると、指の動きを止めてくれた。
 開放された私の時間が止まった。
 痙攣の止まらない太腿を、優しく撫でてくれる。太腿からお尻にかけ、上下に優しく擦ってくれる。
 拓の繰り返す言葉。
「好きだよ。でも、ごめんね」
 長身の拓に包み込まれる痙攣した体。優しく背中を撫でる手が腰に回り、下着の上からお尻を撫でる。イヤラシを感じさせない優しい手つき。
 気遣いのある手が下着の上で止まった。
 部活を引退し、私が選んだ大人の下着。片側だけを可愛いヒモで結ぶ、親にも内緒で買った新しい下着。
 拓が結ばれたヒモを解くと、再び私の秘部に手を伸ばした。
「もう、やめて」
「大丈夫。もう、そこには触れない」
 昇り詰めていた私の奥に、鐘が響くような低めの余韻と、ピリピリした電気が芽芯に残る。
 私の初体験は高校一年の夏に二つ年上の先輩と経験した。確かに先輩の事は好きだったけど、男の性欲を満たすガツガツとした行為。その後も先輩の部屋で数回は経験したけど、1年も持たずに別れてしまった。
 拓は卑怯なやり方で責めて来たけど、ガツガツはしていなかった。
 淫靡な言葉も浴びせてこない。拓が発する言葉は数え切れないだけの『好きだ』それしか言わない。
 拓が好きだったから抜け出せなかった。でも、もう蕾だけは触れて欲しくない。
 拓の手が蕾の上を通り過ぎ、溢れ出る泉を確認すると、指先だけを挿入し纏わりつく花弁を弄んでいる。
 片方のヒモが外れた下着の内部に空間が出来、自由さを増した手首を起こしながら、指が根元まで挿し込まれた。大きく掻き回し始めると淫靡な音が、静まり返った体育館に浮きだって聞こえる。
 拓が初めてキスをしてきた。唇と唇を擦り合わせた後に舌がゆっくりと入り込み、奥に逃げた私の舌を追いかけ絡ませてくる。
 泉を大きく掻き回す指は徐々に上壁を中心に強く擦り付け、私の反応を確かめている。微かに動いたお腹を見逃す事もなく、敏感な部分を狙い擦り上げる。
   追い込まれた私の体に追い討ちをかけ、Tシャツの裾をジャージから引き抜くと、何の躊躇いもなく腕を忍ばしブラの上から乳房を揉み上げる。
 愛撫も足早にブラを上に引き上げると、乳房を下から持ち上げながら乳首がすり潰される。敏感になりすぎた体は殆ど触れられていない乳首までを尖らせている。
 濃厚なキスと揉みしだかれる乳房。泉の上壁を擦り続ける指は2本に増え、私の脳裏も含め責め倒す所はもう残っていない。
 でも、一度昇り詰めた体の異変に私は気づき始めた。
 とろけるようなキスに合せて、ザラツク上壁を2本の指で丁寧に強く擦られると、体の中が溶け出したように蜜が溢れ出し、深く重厚な快楽が下半身を痺れさせて行く。
 このまま、いたぶられる怖さに、無理やり唇を引き離した。
「お願いだから、もう止めて」
 自分でも信じられない媚びる口調でお願いをした。
「もう少し我慢して」
 いままで通りの優しい言葉
「おかしくなりそう。お願いだから止めて」
 責める事を止めてくれない拓に、乱れ狂わされる事を受け入れるしかない気がした。
「好きだよ・・・夏江」
 私のお願いが逆に拓を刺激したのか、酸素を欲しがり始めた私の口腔を舌で掻き回し、ヒクつき出した泉を深く強く擦られると、陰部から蜜が音を立てて掻きだされる。深い快楽の大きな波が沸き立とうとした時に、冷静さを取り戻した蕾が芽芯まで擦り潰された。
 我慢の限界に達した私は、一気に昇りながら大きな喘ぎ声を静かな体育館に響き渡らせた。慌てた拓はキスで声を塞ごうとするが、喘ぐ声が口の外に漏れる。
 また昇り詰めさせたまま私を放置する。一度目より深い登頂に目の前が白くなり、拓の太腿を2度叩いた。
 ポンポン
 拓を受け入れた合図『降参』

 放心状態の私を床に寝かせつけた時に、突然ドアを蹴飛ばす音が鳴り響いた。

 ドン・・・

 音が鳴っても、直ぐに入って来ない。拓は慌てて私の服装を整えている。私は起き上がる事も出来ない。
 ガラガラガラ・・・
 大きな音を立ててドアが開けられた。
「こら松山!お前らこんな所で何をやっとる」
 あっ、中村先生だ。
「レスリングの練習です」
 声を震わせながら答える拓が面白い。こんなHな事するからだ。
「高瀬は大丈夫か」
「・・・・・」
 意識が朦朧とした振りをした。
「早く高瀬を玄関まで連れて行って、風に当ててやれ」
「ハイ」
 元気な拓の受け答えが聞こえた。
 拓は私を背負と足早に体育館を後にした。でも、何故保健室ではなく玄関なのかは、解らなかった。

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