たすけて神様(2)  投稿: はるか 様 
 私が知りたい事、それは私と全く違うコンプレックスを持つ松井富子。彼女は中学から大学まで一緒の腐れ縁。彼女の体型は可哀想だけど、かなりの太っちょ。
 でもそんな富子にも彼はいる。富子はコンプレックスとどう向き合っているのだろうか・・・・
 これを飲めば残り3つ。薬粒を口に含み水で流し込んだ。
 水道の流れる音が聞こえ、食器のがぶつかり合う音がする。室内の明かりが反射し、6ヶ月ぶりに見る富子が窓に映っている。壁には小さな花の絵が飾ってある。ここは富子のアパート。
 キッチンに立つ富子の後ろに黒い影が映る。影が大きくなると、抱きしめられた。
「もうちょっと、待ってて。直ぐ終わるから」
 富子が肩越しに、彼を見つめる。
「早く終わらせてよ」
 彼の大きな両手が胸を鷲づかみする。泡にまみれる手を動かせず、両脇で腕を締め付けた。
 ポッコリしたお腹で押されながら、彼に手の泡を流された。
 白いソファーへ座らされると、彼が横に座った。富子の背中に腕が廻り近づく彼の顔。
 ダメ私。富子の彼は私に合わない。脂で光る顔と二重顎の上に乗る厚い唇。近寄らないで、私は気色の悪さに目を閉じた。
 暗闇に重なる唇と唇の感触。
 富子の太腿を撫でながら、肉を掻き分けて股間に忍び寄る。指で敏感な所を摘ままれ、左胸を揉みあげる。
 彼はせっかちに富子も赤いトレーナーを脱がし、露になった上半身は、スカートがお腹に食い込み、肉の山が連なっている。
 彼はスカートを捲くり上げ、下着を脱がし始めると、富子が腰を浮かせる。眩しいとも思える蛍光灯の明かりが体を照らす。
「富子。明るくて恥ずかしくないの」
「少しだけ、恥ずかしい」
「どうして、電気を消さないの?」
「だって、いつも全部を見たいって言うから・・・」
 富子の足が大きく開かれ、彼の目線が到達する先に唇が当てられた。蕾を下品な音を立てて吸い上げ、二重顎が大切なところを押し付ける。
 花弁を唇で引っ張り、舌先を奥まで忍ばせてくる。長い時間を掛けた前戯が繰り返される。富子は大切な所をグチャグチャにして喘いでいる。
 でも、なんか変。仄かな感じしかしない。 彼が唇を離し上半身を起こした。富子の膝裏に両腕をあてがい、太腿を開いたまま、彼のモノを押し付けて来た。富子のお腹に隠れ、見えないけど入って来る。
 富子の表情が歪むのが解る。彼を受け入れ体が火照り、心が温まっていく。
 彼は獣のように腰を使い、額から落ちる汗が肉の間に吸い込まれる。富子の喘ぐ様子を、彼が嬉しそうに見る。
「どう?気持ちいい?」
「すごくいい。もうダメ」
 違う。全然ダメじゃない。私は感じてない。
「そんな事はいいの、彼はもう出しちゃう。どう?気持ちいいは?彼が限界の合図なの」
 彼がいきなり体をまたぎ、顔に近づける。富子は口を開けて体を起こし腰に腕を廻す。初めて見た彼のモノも、グロテスク極まりない。
 富子の口の中で放たれる男の液。青臭い匂いが口の中から鼻に抜ける。不味くて苦い味が喉の奥に流れ込み、富子は首を動かしながら後始末する。
「おいしい」
「ウソだ。私は吐き気がする」
 富子が私を叱り付ける。
「あなた、うるさい。私は彼が喜ぶ事をしているだけ。だから何でもしてあげる。もし中に出されて、赤ちゃんが出来ても心配しない。彼を信じてるから」
「私だって、健太を信じてる。ただ、私の大きい体が嫌いなだけ」
 彼のモノが口から抜かれると、目の前に大きな顔が現れた。
 ゲッ・・・
 やっぱり私はダメ。半開きに口を開け吸い付いてくる。舌まで入ると私の限界が来た・・・・耐えられない。
 私は自分に戻った。私だって健太を信じている。
 富子のやってる事は、AVでやる変態行為。私はそんな事はしない。

            ☆

 高校時代に憧れた坂口雅子。彼女は学年トップクラスの成績で、先生からも厚い信頼を受けて、生徒会長までこなした才女。
 その後の彼女が知りたい。成人した私が人生を破滅させない為、きっと学ぶ事があるはず・・・
 これを飲めば残り2つしかない。雅子を頼りに薬粒を口に含み、水で流し込んだ。
 揺れる体に等間隔で刻む硬い音。嫌な熱気に包まれる電車に乗っている。車内の右上には防犯用鏡に、大人になった坂口雅子が映る。白いブラウスが、紺色に染まる車内に一輪の花を咲かせている。
 車内の雅子は肩から鞄をかけ、天上から床に通された手摺に掴まっている。雅子の体は鉛のように重く目を閉じている。
 突然、お尻を揉まれるが眉をピクリともさせない。お尻を撫でまわす手が腰に廻り、スカートのチャックを降ろした。柔らかく大きな手が腹部を撫でながら侵入して来る。
 雅子は侵入する手に逆らう事もなく、受け入れるように男の自由を妨げない。やがて小高い丘にたどり着くと、指先に力を入れて割れ目に潜りだす。指先に力を込めて弄ばれると、太腿の付根から指を侵入させる。5本の指を蜘蛛のように動かし、やがて全てが包み込まれた。
 男の手が内股を両側に叩くと、雅子は素直に両足を広げた。指の腹で敏感なところを弾かれる。今だ抵抗する事もなく、浅い快楽が下半身から脳に伝わり始めた。
「雅子どうしたの?、痴漢だよ、大丈夫?」
「この人は痴漢じゃない。私はこの人の父親を車で轢いて殺してしまったの」
「うそっ・・・」
「この人の父親は酒に酔って、車道に飛び出してきた。遺族の方に謝罪し示談まで話しが進んだけど、この人が私のアパートの前で待ち伏せしていた。私の姿を見つけると、建物の影から出てきて右腕を掴み、低い声で要求してきた」
「あんた、保険屋から金を払えば、それで終わりか」
「そんな・・・」
「あんたは執行猶予で終わったかもしれないけど、俺の父親は帰って来ない。あんたには罪を償う必要があるはずだ」
 私は恐る恐る聞いた。
「どう、償えば・・・」
「簡単だよ、禁固3年の実刑判決。俺の言う事は全て聞く事」
「犯罪の手伝いですか?」
「いや、俺の側室として命令に従う事」
「いやです」
「お前は俺の父親を殺したんだ。償いもせずに逃げるのは人間失格だ」
 彼は毎日のように待ち伏せし、私に要求してきた。
「警察に言うわよ。弁護士にも行く」
 この人は慌てる様子もなく、ただ核心だけを突いてくる。
「お前に金品の要求はしない。そして暴力行為もしない。ただお前に償う気持ちがあるか聞いている」
 私は償う心だけを責められつづける。
「お前は俺の父親を殺した、法律は関係ない。人間として償う気はないのか・・・」
 私は償わなければならい。この人の父親を殺した償い。
 禁固3年の実刑判決を受け1年、父親の事はもう責められない。こうして、私の体が欲しくなった時だけ呼び出される。
 この刑を受ける事で、恋人とは別れてしまった。彼は別れる事を望んでいなかったけど、汚されていく体で会う事は出来ない。
 でも、この人に戒められる時は、目を閉じて彼の事を思い出し、彼に弄ばれていると思い込む。そう思わなければ死にたくなる。
 この人はホテルに連れて行かない。理由は私に笑顔が無いから。
 だから、いつも羞恥的に戒められ、感じなければ償いと認められない。周囲にばれないよう快楽に耐える私を見て喜こび、性欲処理に私の体が使われる。
 今日は遊園地に連れて行かれる。遊園地には死角が多いしお客の数も多い。お化け屋敷や薄暗いアトラクションに観覧車。終わる頃には、きっと立っていられない。
 容赦なく力を込めて擦りつけられる。快楽の中に蕾が転がる感覚まで伝わり、具合を確認するように指を入れられる。
 スカートから出た腕は異物を持ち再び侵入する。
 丸い二つ玉が中に詰め込まれ、潤った所が簡単に飲み込みんでしまう。そしてスイッチが入れられた。
 下半身の中が振動する。振動に強弱をつけ弄ばれるが、自分の意志で玉を外に出す事が出来ない。
 雅子に憑りつく現実の重さに耐え切れない。息が苦しくなり、後始末のしようがない気持ちが込み上げてくる。雅子が可哀想だけど、何もしてあげる事が出来ない。
「ごめんね雅子、ごめんなさい。私は辛くてここにいられない」

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