蜜に濡れたマイレージ  投稿: 紅紫 様 名前変換 
そうだ、今夜はパーティがあると言っていたから、もうメールは来ないかもしれない。
はふと思い出して大きく溜息をついた。

隣の部の課長だったが2ヶ月前に単身赴任した中東とは5時間の時差があった。
もう寝なければ、明日の仕事に差し支える…
きれいにお別れするチャンスだったのに…
連絡した自分がいけないのよ…
こんな関係、いつか終わらなきゃいけないのに…
離れられない… どうして…
苦し紛れに送ったメールに返信があった1ヶ月前、は言い知れない喜びと、冷静な後悔の念とに苛まれていた。
それは、音信を通じなくしていた1ヶ月が嘘のような瞬間であった。
どうせ朝シャワーを浴びればいいのだから。
そう思いながら、生乾きの長い髪を梳かすことを中断して、未練がましくは携帯を手に取った。
“え?!”
そこには1通の着信があったことが記されていた。
“ドライヤーの音で聞こえなかったんだ…”

少しだけ震える指でメールを開くと、それはから数分前に届いたメールだった。

-もう寝ちゃったかな?-

猛烈に鼓動が高鳴るのを感じながら、は慌ててキーを押した。

-いいえ、今、髪を乾かしてたの。気づかなくてごめんなさい-
送信ボタンを押し、メールが飛んだことを確認してからは携帯を両手で握り締めたまま、仰向けにベッドに倒れこんでいた。
焦点の合わない視線が、煌々と点る天井の蛍光灯を見つめている。
掛け時計の刻む音が、の心臓の音よりもゆっくりと秒を刻んでいた。
トゥルル… トゥルル…
何十分も経ったような気がした。
メール着信の音が鳴り終わらないうちに、はボタンを押していた。

-よかった! もう寝ちゃったかと思った… まだいいの?-

からの返信を抱き締めるようにして、はベッドに起き上がると手早く返事を返した。

-今日はパーティだって言ってたから…
諦めてたの… 嬉しい! -

国内のメールより時間がかかるように思うのは気のせいだろうか。

-これからだよ。まだ暑いから8時からなんだ。
出かけるまでまだ1時間あるから… -

そうだ、こっちが11時だから向こうはまだ6時だ。

-まだいいの? 今どうしてたの? -

金曜日の今日、イスラム圏の中東は休日のはずだった。

-シャワー浴びて、今、パンツだけ…
は? -

パジャマの上だけでショーツ姿のままだったことを思い出して、見られているわけでもないのにははにかみながら、正直に返信した。

-わたしも裸よ -

-え! それで待っててくれたの? 嬉しい! -

そうではなかったが、勝手な彼の思い込みがには嬉しかった。

-どんなの付けてるの? -

立て続けにからのメールが届く。

-にもらった白の蝶々のレース… -

ほんとうは違う普段デイリーショーツだったが、は思わずとっさにそう返してしまっていた。
の喜ぶ顔が浮かんでいた。

-嬉しい! … 勃っちゃった… しよ! -

そばにいたなら、すぐにでもその胸に飛び込みたかった。
息が止まるほどしっかりと抱かれたかった。
しかし、それを正直にメールで言えるほどは素直ではなかった。

-だめよ、そばにいないもん… -

-いるよ、耳のそばに… -

そのメールが届くと同時に、電話の着信音が鳴った。
「ほら、そばにいるよ … 」
… 高いのに…」
ついの電話代が気になった。
「いいんだよ、そんなの… がほしい…」
「あたしも…」
声を聞いてはもう気持ちを隠せなかった。
のこと考えてたら、こんなになっちゃった…」
「え?!」
「我慢できないよ、…」
「言わないで… …」
「一旦切るね…」
が何を言っているかはわかったが、どうして突然電話が切られたのかには理解ができなかった。
トゥルル… トゥルル…
一瞬の静けさのあと、メールが届いた。
は身体が一瞬にして熱くなるのを覚えた。
から届いたメールには屹立したカレの姿が添付されている!
“やだっ… でも…”
久しぶりに見るカレだった。

-届いた? -

一層興奮したは返信の指が震えた。

-いやだ … -

-も送って! -

-恥ずかしいよ… -

-待ってるから… -

-でも… -

そう返信しながら、は急いでレースのショーツに穿き替えて、写真をメールしてしまっていた。
蝶々のシースルーレースがあしらわれた、自分では買わないようなショーツだった。
-… 可愛い… 大好き… -

-あたしも… 大好き… -

-もう濡れてるよ -

-いや! 言わないで -

-つんつん… -

-いや! -

-だって、もうこんなになってる… あふれて光ってるのが見えるもん… -

-見ちゃいや! -

見えるはずもないのに、送られてくる言葉だけでは異常に高まっていた。
会話ではない、文字のやり取りが余計に欲情を煽り、身体からあふれ出て下着を濡らす熱い液体を感じていた。

-うつ伏せになってごらん -

-え? こう? -

-そう… もっとお尻を上げて膝を開いて -

-いや 恥ずかしい こんなの -

-そう… もっと脚開いて! -

送られてくるメールのままに、まるでそこにがいるかのようには動かされていた。

-どこがいいの? さわって教えて… -

-いやっ  恥ずかしい … -

応えながらの指は自然と花芽をなぞっていた。
恥ずかしい気持ちと裏腹に、鋭く甘い快感が下半身を襲ってくる。
軽く爪を立てながら下着の上から最も敏感な部分をそっと掻き上げながら、つま先が反った。

-… 可愛いよ 可愛い! -

-いや、感じちゃう! -

-もっと感じて! いっぱいしてあげるから -

-いや、そんなされたら… -

-ほら、くちゅくちゅ… -

-いやっ 感じる、すごいの! -

電話がまた鳴った。
! もっとお尻突き出して! びしょびしょだよ!」
「いやっ、見ないでっ! あぁっ」
「可愛いよ !」
っ!」
ベッドパッドと頭の間に携帯を挟んだままは通話口で声を上げていた。
のお尻が光ってる… ぴちゃぴちゃ いってる…」
「そんなこと言わないでっ! 恥ずかしい! あぁっ! あぁっ!」
「ぼくも… いい… すごくいい!」
「あたし、もう…」
ショーツの脇から差し込まれて、4本の指がそれぞれに敏感な場所を激しくまさぐっていた。
左の乳首がシーツとこすれて電流が走ったように感応する。
耳に届くの熱い息がを絶頂へと追い立てていく。
「あたし、もう…だめ… あぁぁっ… いいのぉ…」
「まだ、だめだよ… 一緒に…」
「いやっ、もう焦らさないでっ お願い!」
「我慢して! もっと良くしてあげるから…」
「もういいの! すごいの! お願い もういかせてっ」
そう言いながらの腰が無意識に激しく上下に動いた。
「いっちゃうの? ? いっちゃうの?…」
「もうだめっ 我慢できないっ…」
「ぼくも、もう… 出そうだよ」
「一緒にいって! いっぱい出して! あたし、いきそう!」
! ほら、あふれて垂れてるよ!」
見えないけれども、そのとおりだった。
指を伝って熱い液が垂れて、太腿に沿って光りながら落ちていく。
「いやっ、見ないでっ! あぁぁっ ! あたし、いっちゃうぅっ! いっちゃうっ」
「来てっ! ぼくも、出ちゃう! 出ちゃう!」
! いっちゃう、いっちゃう… あぁぁっ! いっ、いくいくいくっ! いくっ!…」
膝から先がベッドから浮き、開いた脚のつま先が大きく反って宙を掻く。
携帯に向かって叫びながら、あらわになった背を丸め、全身を打ち震わせて、 は経験したことのない高まり達して激しく果てた。

―――――終わり―――――

毎回素晴らしい小説をありがとうございます!
掲載が大変遅くなり申し訳ございませんm(_ _)m
婚外恋愛で電話でオ○ニー・・・なんてステキなシチュエーションでしょうか★
疲れによりエロスから遠ざかっている管理人ですが 久々に本能のままにしたくなりました^^(何を?)

オナニーなんて恥ずかしいのに止められない…

女性のための官能小説・目次