四人の秘密 1 名前変換
「お疲れ様!」
「乾杯〜!」
 夕方になっても蒸し暑く汗ばむ8月最初の金曜日。
 大学の前期末試験が終わったので、友達とお疲れ様の意味を込めて飲み会をした。
 あたし、友達の夕菜、健司、のいつもつるんでいる仲良し4人組で、気を使うことなく思いっきりしゃべって食べて飲んだ。
 学生に人気の美味しくて値段も手頃な居酒屋で飲んだ後、カラオケに行ってまた飲み直すと、皆すっかり酔っ払ってしまった。
 あたし達は繁華街を千鳥足で歩く迷惑な学生だ。

「家まで帰るのだりぃよーそうだ、健司、泊めてくれよ」
「そうだよ。健司んち広いから泊めてよぉ!」
 この四人の間に遠慮はない。
 と夕菜の強引な押しによって、カラオケ店から一番近い健司のアパートに泊まることになった。
 健司のアパートについて世間話をしていたと思ったら、いつの間にか皆うとうと寝始めた。
あたしとはカーペットの上で、夕菜と健司はベッドの上で寄り添うように寝ている。
 あたしには別の大学に付き合っている彼氏がいたけど、前からのことをかっこいいなと思ってて、夕菜と健司がペアになってくれた時は密かに喜んでいた。

「くしゅっ」
 ・・・さむっ!
 冷房が効き過ぎているようで、寒さのあまり目が覚めた。
(・・・エアコンのリモコン、どこにあるんだろう)
 あたしは寝惚けた頭で考えながら、起き上がって探そうとしていた。
 その時だった…。
「うっ…」
「ぴちゃ、ぴちゃ…」
 ベッドの方からは時折苦しそうな声が聞こえてくる。
(夕菜?もしかして病気で苦しんでる?)
 でも、何だか変な気配がする。ベッドの上だけ踏み入れてはいけない空間ができてるっていうか・・・。
「ぁ・・・んっ・・・」
 女性のセクシーな声が聞こえて思わずビクッとしてしまった。私はじっとしたまま耳を済ませて、様子を伺い続けた。
 嘘??あれはもしかして…?
 夕菜と健司ったら、酔った勢いでエッチなことしてるんだ。まさかこんな場面に遭遇するなんて・・・。
 あたしは好奇心がムクムクと沸き上がり、二人がどんなことをしているのか詳しく知りたくなった。

「夕菜、濡れてるよ…」
「あんっ…ふぅっ・・・あっ」
 喘ぎ声と共に、じゅる・・・ぴちゃ、ぴちゃと卑猥な水音も聞こえてくる。きっと口で愛撫をしているのだろう。
 夕菜ったら普段は男っぽいサバサバした性格なのに、エッチの時はあんな色っぽい声を出すんだ・・・。
 健司も何だかセクシーで、いつも以上に「男」を感じさせられる。
 あたしは初めて他人の生エッチの現場に遭遇して、どうにも堪らない気持ちになった。いつも顔を合わせている友人達がベッドの上で行っていることを想像すると、下半身が熱くなった。大きくなった健司の性器も目に浮かんでしまい、あたしってすごくエッチなのかもしれない。

「・・・う・・・くっ・・・」
「あんっ・・・あぁっあああ・・・」
 少しして、切なげな声を発すると、どちらかがベッドから下りて来た。どうやらティッシュ箱を探しているようだった。二人はごそごそと服を着るとそのうち静かになり、寝息を立て始めた。
 こんな気分のまますぐに眠れる訳がない。一人でする訳にもいかないし、やるだけやってさっさと寝てしまった二人を少し恨んだ。
 疼いてしまったスカートの奥の部分をどうにかしたくて腰をもぞもぞと動かしてしまう。隣に寝ているをそっと見ながら、だったらどんな風にエッチするのか想像して濡らしてしまった・・・。

、起きてる?」
「ひゃっ」
 突然、の瞼がパチリと開き、声を発したから酷く驚いた。
「びっくりした!何だ、起きてたの?」
「そりゃ起きるよ。さっき、あいつらの声聞こえた?」
「うん…ばっちり聞いちゃった」
「あいつらもやるよなぁ」
「あたしらが傍にいるのに大胆なことするよね」
 友人のエッチを聞いて欲情してしまった事を悟られないように、明るく振舞った。

「あいつらのせいで寝れなくなったよ」
 は文句を言うと軽く背伸びをした。
「何?もしかして興奮してるとか?」
 あたしは冗談でタカシの乳首を触って軽くつまんだ。その瞬間、の小さな乳首が固く立つのが分かった。普段ならこんなことできるはずがないが、羽目を外して飲んだおかげでかなり酔っているらしい。
「何すんだよっ」
「感じちゃった?」
 今日のあたしは、生エッチを見せ付けられていつも以上に調子に乗ってるみたい。
「お前なぁ…立ったら責任とってくれんの?」
「それは嫌だね」
「ムカつく!」
 「嫌だ」とはっきり言ってしまったのを少し後悔してしまった。酔った勢いでに抱かれるのも悪くないな。いや、本当は抱いて欲しいと望んでいるのかもしれない。

「ねぇ・・・もう勃ってるんじゃない?」
 大胆にもの股間の上を触ってみた。期待通り、ジーンズの前が大きく盛り上がっていた予想以上の硬さに驚き、初めて男性の大事なところを触った時のように戸惑ってしまったが、子供のようにからかってやった。
「やーい、興奮してやんの」
「・・・のエッチ・・・」
「はは・・・」
 ただの友達にとんでもないことをしてしまったあたし。酔った勢いのことだから、明日になったら忘れてくれるよね。
 シンとした部屋の中で、あたしは気まずい思いをする。

 はあたしの気持ちを察してか、大胆な発言をした。
「もっと触ってみるか?」
 耳元で囁かれ、の低い声が脳内を刺激し、ゾクっとした。
「え…?」
 あたしが躊躇っていると、はジーンズのジッパーを下ろし、あたしの手を握ってトランクスの中に誘導させた。

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