すれ違い 3

 綾乃は自宅に戻ってから、家のパソコンで「ED」について調べてみた。
 EDとは、英語でErectile Dysfunctionの略。
 勃起機能が低下する病気で、ストレスや緊張、不安などの心因的な原因から、神経系の異常や糖尿病などの病気による等、様々な原因によって起こる、とそこには書かれてあった。
 一体何が原因で守山がセックスできないのか、まだ守山について知らないことが多い綾乃には分かるはずもなかった。
 塾でのストレスかもしれないし、前の彼女と何かあったのかもしれない。
 取り合えず、守山にプレッシャーを与えてはいけないと思い、 綾乃は自分からは求めないように決めた。

 綾乃の心配をよそに、守山は特に気にしている様子はなく、 綾乃とキスした後にたまに指や口でしてくれる事があった。
 乳首を甘噛みされたり、敏感な突起を指先や舌で撫でられると 天国に昇るような快感が得られた。
(こんなに気持ちいいことがあったなんて・・・)
 オナニーで股間を布団や枕に擦り付けることしかしなかった綾乃は、 守山にもっと深い気持ち良さを教えてもらった。
 綾乃の期末試験や守山が塾の追い込みでしばらく会えない時に、 守山にされたことを思い出して、ドキドキしながら自分で試してみた。

 その日は丁度、大学の試験が終わった日で、開放感もあってかなかなか 寝付けなかった。
 ベッドに入り守山のことを考えていると、次第に意識が下半身へと移って行った。
 ブラジャーを外すとそっと胸に手を当てた。
 守山がするように胸をそっと撫でたり、焦らしながら乳首を弄った。
 口が半開きになり、足の間がジンと熱くなる。
 しばらく我慢していたが、最後までしないと眠れないだろうと確信した綾乃は、パジャマのズボンを下ろすとショーツの中に右手を入れた。
 陰毛の間を掻き分けて、割れ目に指を添えると粘っこい液体が出ているのが分かった。
(やだ・・・あたしってえっち・・・)
 いつも守山に触られると頭が真っ白になる部分を探そうと思ったが、自分の体のことなのによく分からない。
 花弁を上の方に向かって探っていくと、固いコリコリするものを見つけた。
 特別気持ち良くはないが、ジーンと響くような不思議な感じがする。
(ここかな・・・?)
 直接触ると痛みを感じたので、溢れ出した液体をたっぷり指先につけて、優しくクルクルなぞってみた。
(あれ・・・何か気持ちいい・・・)
 あの感触に近いものを感じた。より深く感じるポイントや動かし方を探して綾乃の指が彷徨う。
 小さな小さな一点を刺激すると快感を得られることに気付いた綾乃は、夢中になって指を動かした。
「はぁっ・・・あぁっ・・・いい・・・」
(こうた・・・、気持ちいいよ・・・)
 喉は渇き、呼吸は荒くなる。
 下の洞窟からは愛液が次々と溢れ出し、それをすくってはまた蕾を撫で上げた。気のせいか最初に触った時より大きく固く膨らんでいるようだ。
 綾乃は部屋の鍵が閉まっているのを確認すると、掛け布団を取り去り、 上半身に着ていたものとショーツも全て脱いで全裸になり座った。
 両手で胸を揉みしだきながら、不規則的に中心の突起にも刺激を与えた。
 物足りなくなると、再び手を股間に移動させた。
(もう我慢できないよ・・・)

 とうとう綾乃は足を大きく広げ、M字開脚の体勢になった。
 クリトリスを思う存分触り、花弁をヒクつかせて一人で喘いだ。
 綾乃はふと手元を覗いてみた。
 濡れそぼつ陰毛の間から見えるぷっくりと腫れあがった蕾を、指でいやらしくこねくり回している・・・。
(自分がこんなにえっちだとは思わなかった・・・)
 イキそうになると何度も手を止めていたが、そろそろ限界が近づいてきた。
 指が少し触れただけで、秘所は痙攣を起こして飲み込まれそうになる。
 何度目かの大きな波で自分を解放することにした綾乃はベッドに寝転んだ。
 快感をさらに確かなものにし、自らの指で絶頂へと導いた。
「だめ・・・あぁっ・・・い、いくぅ・・・・・」
 手を股に当てたまま、全身を大きく震わせながら綾乃は達した。
 手淫によって腰の抜けるような気持ちよさを味わった綾乃は、 両親が寝静まった夜に、自慰を度々行うようになった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 綾乃はオナニーも大好きになったが、守山にやってもらう事も楽しみにしていた。
 舌によるあの蕩けるような愛撫は自分ではなかなか出来ない。
 守山とのキスが始まるとあの心地良さを思い出し、自然と液体が溢れ出して来た。
(熱い舌でいっぱいペロペロして欲しい・・・)
 ご褒美を貰う犬のように下半身から涎を流しながら待ち構えている時だった。
「ねえ、綾乃」
「何?」
「これ使ったことある?」
 守山が持っていたのは、丸いプラスチックの棒状のものに紐がついていて、四角いものと繋がっていた。
「もしかして・・・」
「ローターだよ」
 オナニーを覚えたての綾乃にとっては初めて見るものだった。
 守山がスイッチを入れるとウィーンという音を立てて、小刻みにぶるぶる震えた。
 綾乃がじっと見ている様を、興味津々であると捉えた守山は、綾乃の上にまたがった。
 唇を絡ませながらそっと服を脱がしていくと、綾乃のカラダのスイッチも入ったようだ。
「ん・・・ふぅっ・・・」
 切ない吐息を次々と漏らす。
 守山は綾乃のブラジャーの上からローターをそっとあてた。
 ブラの上から軽い震動が乳首に伝わり、もどかしい感覚が綾乃を襲った。
 守山は首筋やわき腹など綾乃の感じる部分をなぞっていく。
 次の快感を求めて綾乃は守山を潤んだ目で見つめた。
「ねぇ・・・」
「どうした?」
「あのね・・・えーと・・」
 恥ずかしくて口に出せない綾乃に、守山は冷たく言い放った。
「ちゃんと言わないと分かんねえよ」
「えー・・・」
 今すぐにでも綾乃の望んでいる箇所を探りたい衝動を抑えて綾乃の返事を待つ。
「言ったらしてあげるよ」
「胸に・・・直接触って・・・」
 蚊の泣くような声で懇願されると、堪らなくなった守山は、 綾乃のブラジャーを外し、露わになった胸にローターを押し付けた。
「あんっ!」
 想像していたよりも強烈な快感に驚いた綾乃は体をくねらせた。
 ぶぶぶ・・・と無機質な機械音が響き、先端を小刻みに刺激する。
 敏感になっている突起の周りを軽くなぞって焦らしたり、角度を変えて押し付けた。
 空いている方の蕾は守山が口に含み、舌先を尖らせて突っついた。
 温かな愛撫とローターの響くような刺激によって、綾乃の秘所からは大量の密が流れ出した。
(早く下に触ってくれないとおかしくなっちゃう・・・)

 徐々に機械音が下へ降りていく。
 守山は綾乃のショーツを触るといつも以上に湿っているのに気付いた。
「すごい濡れてるぞ・・・ローターで感じた?」
「い・・・言わないでぇ・・・」
 綾乃が恥ずかしそうに顔を手で覆い隠すと、ショーツの上からローターを押し付けた。
「あぁっ・・・」
 綾乃の体がピクンと跳ねる。
 会陰の辺りから上に向かってゆっくりとなぞっていく。
 あと少しで恍惚を得られる所に触れそうなのに、わざと触れようとしない。
(もう駄目・・・パンツ使えなくなっちゃう・・・)
「今日はまだ触ってあげない」
「あっ・・・えっ・・・?」
 ショーツを脱がすとそこは大洪水を起こしていた。
 薄い陰毛から水滴が滴り落ちそうな程にぐっしょり濡れていた・・・。
「これだけ濡れてたら大丈夫かな・・・」
 守山は確認するように一人で呟いた。
「もっと足開いて」
「ん・・・・・」
 理性が途切れて操り人形のようになっている綾乃は、言われるままに 太股を開いて秘部を守山に差し出した。
 守山はローターのスイッチを切ると先端を窪みにあてた。
 一度は守山の指が入ってきたが途中で拒んでしまった場所に。
「力抜いて」
 そう言われたが、何が起こるか分かった綾乃は身を固くした。
「う・・・」
 少し入った所で圧迫感を感じた。
「痛いか?」
「ちょっとだけ・・・」
 沢山濡れていたせいもあって、以前ほど痛みを感じなかった。
 守山は綾乃の表情を観察しながら奥へと慎重に挿入させた。
 3分の2程入れるとそこで止めて様子を見た。
「入ったの?」
「うん。大丈夫か?」
「平気・・・」
 無事に入ったと聞いて綾乃は一安心した。
 初体験の時、痛くて長い間成功しなかったという話もたまに聞くので心配していたのだ。
 でも守山がEDである間は問題ないのだろうけど・・・。
 「動かすからな」と言うと、守山はゆっくりと出し入れを始めた。
 鈍い快感が綾乃を襲う。
 一旦引き出され、それをまた挿入する時に気持ち良さを感じる。
(これってセックスしてる感覚に近いのかな・・・?)
 綾乃は「挿れて欲しい」と思う女性の気持ちが分かった気がした。
 丸い棒を入れられて腰をくねらせて喘ぐ自分がいる。すごくいやらしい光景だろう。
 守山はスイッチを入れるとそのままピストン運動を繰り返した。
 体の奥へ伝わる振動が綾乃を痺れさせる。
「あっ・・・あっ・・・」
 綾乃は小さく喘ぎながら太股を閉じたり開いたり、快感に耐えようとしている。
 自分の手によって悦びを知った年下の彼女をもっともっと乱れさせたくなる。
 守山はローターを手で押さえられる限界まで挿入すると、置き去りにされていた芽芯に口付けした。
 舌先で味わうようにねっとりと、時には唇で軽く吸いながら素早く動かした。
 綾乃は切ない声で鳴いた。
 膣にはローターの振動が、蕾には守山の熱い舌が捕らえて離さない。
 綾乃はどちらが気持ち良いのか分からなくなってきた。
 さらに守山はローターを出し入れし、トドメをさした。
 膣とクリの両方の刺激によって最後の砦が開かれた。
 体をよじらせた必死の抵抗も空しく、秘所から温かい蜜を流しながら綾乃は昇りつめた。

「起きた?体大丈夫?」
 目を覚ますと守山の気遣う声が聞こえた。
 少し気を失っていたらしい。
「うん・・・」
 心地良い疲労感と眠気に襲われ、波間をふわふわと漂っていた。
「処女には刺激が強すぎたか」
 意識がはっきりしてくると、綾乃はお尻の方に違和感を感じた。
 触ってみるとベッドのシーツまでぐっしょり濡れている。
「何これ・・・!?」
「どした?」
「すごい濡れてる」
「ああ・・・潮吹いたんだな」
「しお!?」
 綾乃は潮吹きという俗語は聞いたことはあるが、まさか自分が・・・と驚いた。
「おしっこじゃなくて・・・?」
「さあ、よく知らないけど、おしっこの時もあるかもな」
「最悪・・・。もうあたし生きていけない・・・」
 綾乃は恥ずかしさと情けなさのあまり、布団に潜り込んだ。
「気持ち良かったらよくあることだって。気にすんな」
 守山は綾乃を慰めた。

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