前と変わったね 3 (「今時プラトニックな彼女」続編)
 先週の結婚式は思い出深いものとなった。
 憧れの純白のウェディングドレスを着て仁と誓いのキスを交わして、家族や友人達に祝福されて、これ以上の幸せはないんじゃないかって言う位の体験をさせてもらった。
 左手の薬指には小さなダイヤがついたプラチナの指輪が光っている。
 私達は今、8日間のヨーロッパハネムーンを楽しんでいる最中だ。
 ガイドさんに予約してもらったお店でフランス料理のコースを食べ、凱旋門からの夜景を見て感動していた。2人とも初めての海外旅行で子供のようにはしゃいでいる。
 ホテルに帰ってきてすぐ、仁はベッドの上に飛び乗ってそのままうとうとし始めた。初めての長時間フライトに疲れてしまったのだろう。
「眠い・・・」
「もう寝る?」
「ん・・・」
 何だ、つまんないのと思いながら、私は一人でシャワーを浴びることにした。
 なるべく上のランクの部屋にしてもらったが、トイレとシャワーは同じ部屋に設置されてある。
 外国式の手で持てないシャワーに苦戦しながら、良い香りがするボディーソープで全身を洗うと、一日の汚れが落ちて気持ちもすっきりした。
 ・・・ガチャ・・・
 突然、バスルームの扉が開くと、何と仁が入ってきた。何で!?
「やば、せっかくの夜に寝ちゃうところだった。俺も一緒に入ろっと」
 何だか声が弾んでいる。
「ちょっと!あたしまだ入ってる」
「夫婦なんだからいいだろ」
「だめ、来ないで!」
 エッチしてる時、仁に裸を見られたことはあるけど、それは2人ともそういう雰囲気になっている訳で…。
 私は一人であたふたしていると、シャッとカーテンを開き、全裸の仁がバスタブに入ってきた。恥ずかしくて正面から見ることができなくて、体を背けてしまう。
「俺にもシャワー浴びさせて」
 後ろを向きながらバスタブの反対方向に移動する。
「理香子の体はこんなにきれいなんだから、大丈夫だって」
「・・・そういう問題じゃない」
 だから、見られるのが恥ずかしいんだってば!
「そんなに離れないでよ」
「でも・・・」
 仁は私の腕をとり、さっと引き寄せた。
 あっ、という間もなく、唇を塞がれてしまった。シャワーの水滴に紛れながら仁の熱い唾液を注ぎ込まれる。次々と降ってくるキスのシャワーに翻弄されながら、私は一部分が熱くなるのを感じていた。
 こんなところでダメだよ…。
 変な気持ちになっちゃう。
 キスから解放されるときつく抱きしめられた。
 2人は無言のまま、激しいシャワーの水音だけが浴室に響いている。
「理香子」
「ん?」
「俺、離れられなくなっちゃった・・・」
「え?」
 随分前から、仁のある部分の感触が変化しているのを感じていた。
「諦めるか・・・」
 そう言って体を離すと、私は仁の勃起しているものをモロに見てしまい、ごくりと喉を鳴らした。
 こんなに明るいところでまじまじと見るのは初めてかもしれない。いつもこんな大きなものが入ってきているのだと、他人事のように驚いてしまった。
「あー、ごめん・・・俺ってスケベだな」
 仁は申し訳なさそうに照れ笑いをした。
「・・・」
「怒った?」
「別に怒らないよ・・・。生理現象だし」
「何か理香子、変わったね。嬉しいよ」
「そ、そう?」
 確かに大学時代の私なら、こんなのを見せられたら怖くて、怒って逃げていただろう。でも本当は慣れていないだけで、エッチなことに興味がない訳じゃなかった。
 男性ならアレが勃っちゃうから興奮してるってはっきり分かるけど、女の人は分かりにくい。私だってキスされてこっそり濡らしていたんだ…。私のことを初心な女だって思っている仁には、口が裂けても言えないけれど。
 今だけじゃない。仁と手を繋いだりキスする時は自然と体が熱く反応してしまう。
 遠距離恋愛をしてる時だって、寂しくなって一人で自慰をしたこともある。

「そうだ。もう全部洗った?」
 二人でシャワーを浴びていると、仁が尋ねてきた。
「・・・全部って?」
「体とか髪の毛とか」
「髪はまだだけど・・・」
「俺が洗ってあげる」
「え?いいよ」
「遠慮するなって」
 仁は備え付けられていたシャンプーを手にとると、私の頭を洗い始めた。シャンプーの量が多すぎて綿菓子のようにふわふわ泡立っている。
「雑でごめんな・・・」
「ふふっ・・・。仁らしい」
 耳の中に水が少し入ったりして、決して上手な洗い方とは言えないけれど、こうしてお風呂で触れ合うのも悪くないかもしれない。
 私の髪を洗った後、仁は超特急で自分の体や髪を洗い始めた。まるでカラスの行水のようだ。
 全身をシャワーで一気に流すと再びリンスを手にとった。
 それをどうするかと思いきや、いきなり私の体に塗りつけた。
「何?」
 仁は私の背後に回ると、リンスでぬるぬるになった手で私の胸を弄り始めた。
 触れられて一気に硬くなる二つの突起。強い刺激から逃げながら必死で伝える。
「こんな所で・・・ダメだよぉ・・・」
「風呂だから思いっきり濡らしてもいいよ」
「いや・・・」
 上半身をさんざん弄ばれた後、仁が私の下半身に指を添える。その頃には透明の液体が溢れ出していたあそこに。
 来るっ・・・・・・
 私は息を潜めて次の動きを待った。待ち焦がれていたそこに、仁のするっと長い指が入ってくる。
「はぁ・・・」
 襞をゆっくり伝うその感触に、思わず溜息がもれてしまう。
「入っちゃった・・・」
 嬉しそうに囁く。
「仁が勝手に入れたんでしょっ」
 くちゅ、くちゅ・・・にゅる、にゅる・・・
 仁はわざといやらしい動きで、指の抜き差しを繰り返す。
「勝手に理香子の中に吸い込まれていく」
「もぉ・・・言わないで!」
 何度か繰り返すと、私の奥の壁を刺激しながら耳元にキスをした。
 一点を押されていると、込み上げてくるものを感じた。意識しているわけではないのに、勝手に秘部が収縮を繰り返す。
「すごい、俺の指を締め付けてくる・・・」
 仁の指の動きが激しくなると私の息も上がってきた。太股が小刻みに震えて立っているのが辛くなり、壁に手をついた。
 もう少し・・・あともう少しで・・・
 立ったまま後ろから乳首と陰部を弄られながら快感に身を任せていると、ふいに指を引き抜かれ、落胆した。
 中途半端に置き去りにされたカラダは悲鳴を上げている。
 仁の指でイかせて欲しかったのに――。

「ねえ」
「なーに?」
 仁は私の手を導いて、自身の熱い塊に触れさせた。
「すごい硬い・・・ね・・・」
「理香子の体見たら、誰だってこうなる」
 仁の熱い視線が私を突き刺す。
「ねえ……して?」
 私は黙って頷いた。
 手での愛撫は既に何度か経験した。
 最初はグロテスクだと思うだけだったが、慣れてくると自分の性器を愛撫しているかのように気持ち良く感じられた。自分からは言えないが、これに触れたいと思うこともある。
 これって相手の体を愛してるってことなんだろうか。仁が私のを嬉しそうに弄ってる時のように…。
 熱い高ぶりをもつと上下に優しくしごいた。手の中でビクンと元気よく跳ねた。
「あ・・・気持ちいい・・・」
 もっと、もっと、感じてる声を聞かせて・・・。
 あなたの声を聞くだけで、下半身が火傷しそうなくらい熱くなってくるの。
 仁がいつも私に声出してって言うのが理解できた。
「ねえ、言いにくいんだけど、フェラって知ってる?」
「え・・・知ってるけど」
「俺もしてもらいたいな、なんて・・・」
 隆々と上を向いているペニスを見ると、涙を流しながら触れられる事を待ちわびているようだ。
 私も仁に舐められたことがある…。でもさすがにちょっと抵抗があったし、そういう行為をしているのを見られるのが恥ずかしい。
 どう答えたら良いのか分からずに黙ってしまった。
「無理言ってごめん。こんなの舐めるなんて勇気いるよな・・・」
「やる・・・」
「え?」
「ちょっとならいいよ」
「・・・そっか。無理しないでいいからね」
 仁は優しく微笑んだ。
 いつもよりも積極的になってもいいよね。仁が喜んでくれるのなら。

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